魔界とは、悪魔や魔神、魔人と呼ばれる、人間とは姿形の違う種族が住むとされる異世界のひとつとされる場所です。人間界とは、時間の流れや魔力の在り方、生命体の種類や性質などが大きく違っていると言われていますが、豊かな自然環境も有しており、様々な動植物も生息しているようです。
とはいえ、頻繁な行き来がないため、魔界についての情報は多くありません。なにやら恐ろしげな土地である、といった程度に言い伝えられるにとどまっています。
一応、魔界への扉を開ける方法は、古代より魔術師たちの術のひとつとして伝えられてはいます。しかし、この術も開けられる穴は小さく、また、目先の欲望を満たすために使われることが多いので、わざわざ魔界探索を行う者はいないようです。大勢の人員を行き来できるほどの大きな出入り口を作る術も存在しているようですが、禁術であったり、大がかりで複雑な魔法となるために使いこなせる者は限られるでしょう。
そして、わずかな知識が伝えるには、魔界では、絶対的な強さを持つ統治者が存在し、その下で幾人かの実力者がいて、それぞれの勢力を競い合っているようです。この実力者たちが“魔王”を名乗ることもあります。各勢力がどのように運営されているのかは不明ですが、法や経済など、人間界のそれらとは全く違う仕組みと法則で成り立っているでしょう。おそらく、人間が迷い込んでもそこでの生活はなかなか理解しがたい、難しいものだと思われます。
なによりも魔界は完全な弱肉強食の世界であり、より強いものがより高い位を得るとされています。そのため、下克上などは日常茶飯事であり、いたるところで争いが起きているようです。そもそも支配者である存在が魔界の秩序に心を砕いているとは思えません。
一応の統一はなされているとも言われていますが、通常の人間たちにとっては非常に住みにくい世の中であることには間違いはないでしょう。