ブーメランとは、主に鳥などの飛翔する動物を狩るために使われる狩猟道具から発展した投擲武器です。
木製の、ちょうど握りやすい径の細長い棒状もしくは厚みのある平たい板状で、全体的に「く」の字状に角度がつけられて曲がっています。全長は30～80cmほどです。
使い方は、ブーメランの一方、もしくは持ち手を握り振り上げ、手首のスナップを利かせて目標へ投擲します。持ち手の反対側に打撃点は設定されて作られていますが、ブーメランは回転しながら飛んでいくため、どの部分に命中しても破壊力は十分です。
射程距離は筋力にもよりますが、おおよそ10～100mほど。ブーメランの威力は高く、生身ではその衝撃を受け止めるのは難しいでしょう。金属鎧に身を包んでいても、頭部に当たればただでは済みません。
ファンタジー世界では、さらに金属製のモノや先端に刃物を取り付けた品も存在するようです。扱いも難しくなるでしょうが、当然、その攻撃力も増しています。
狩猟用や遊技用のブーメランと、戦闘用のそれとの違いは、投擲して目標に命中しなかった場合、再び手元に戻ってくるようにひねりを加えた形をしているという点です。回収の手間はありますが、相手に向けた攻撃が自分に戻ってくる危険性を考えるとそれも当然かもしれません。
一流の使い手のなかには手元にもどってくる形状のブーメランを用いる者もいますが、慣れないうちは止めておいたほうが賢明でしょう。ですから、投擲したあと外れた場合や一撃で仕留められなかった場合に備えて、複数所持しておくか予備の武器を用意しておきます。
投げつけるだけですから、さほど広い場所は必要とせず、いざとなれば手に持って棍棒としても使えることから、使用できる機会は意外と多い武器といえます。
ブーメランはしかし、蛮族の武器や補助的な武器として登場するばかりで、英雄と呼ばれる者たちや冒険者たちにはあまり用いられません。そのためか、魔法のこめられた品などもあまり見かけないようです。
それでも一応、炎を纏ったり、切り裂く魔法を付与された品などがあります。手元に戻ってくるという性質を活かした品なども便利そうです。
さて、現実世界のブーメランとの違いはいくつかありますが、とりあえず名称が挙げられるでしょう。戻ってくるタイプをブーメランといい、戻ってこないタイプを「キラースティック」、「カーリー」などと呼ぶようです。
アボリジニが使っていたことで有名ですが、もともとが棍棒から発展した道具であることから、アフリカやヨーロッパなど、狩猟を行っていた地域の多くでも似たようなものは存在はしていたようです。
初歩的な武具としての扱いが多いブーメランですが、冒険の荷物にくくりつけておいても損はないと思います。