クロスボウとは、引き金を操作するだけで、矢を撃ち出すことのできる機械的な構造をもった弓矢です。
木製の堅牢な台座/弓床に水平方向に取り付けられた強力な弓部分があり、矢を置くための溝と、弦を引いた状態に留める弦受けとそれに連動したレバーで構成されています。 全長は50cn~1mほど、横幅は40cm~80cmくらいの大きさです。
クロスボウの特徴は、狙いを定めやすいことと、操作を覚えるだけで威力のある矢を射出できるという点です。 より正確な射撃を行うためにはそれなりに訓練が必要となりますが、ただ前に撃つというだけならば、長弓や単弓のよりもはるかに簡単に習得することができます。
欠点は発射するまでの時間です。 クロスボウは強力な矢を撃つために、人の手では引けないほどの強い弓を持っていることがあるからです。 そのため、弓を引くための様々な工夫が施されています。
もっとも簡単なものは、クロスボウの先端に足を踏みかけるための「あぶみ」が取り付けられていて、これに足をかけておき、体を伸ばすようにして弓の弦を引きます。 (これを扱う際のコツは、腰を伸ばすのではなく、下半身全体で立ち上がるようにして弓を引くことです。 こうすることで、強い力が生み出せますし、なによりも腰を痛めなくて済みます。)
さらに、滑車や歯車などで構成された専用の巻き上げ機によって機械的に弦を引く方法もあります。 これらはクロスボウとは別に用意しておき、矢を撃ったあと、これを台座に取り付けて、弓を引いて、取り外して…という行程になります。 そのため、足で引っかけて引っ張るだけのやり方に比べると、装填時間はさらに長くなってしまいます。 代わりに人間の筋力を超えて、非常に強力な矢を撃ち出すことができます。
長い装填時間のため、乱戦などではあまり有効に用いることはできないかもしれませんが、相手との距離があるうちの牽制や手痛い初撃として高い威力を発揮することができます。 また、普通の弓矢と同様に狩りにも使えることから、冒険者たちの間でも好まれている武具のひとつとなっています。
クロスボウに使われる矢は、通常とは違うものとなっています。 四角い矢尻のついた、太く短い形状をしています。 太矢、角矢、ボルト、クォレル、クォーラルと呼ばれています。
クロスボウは個人が運用する武器から、もっと大型に作られた攻城兵器や城塞兵器としての応用もされています。
他にも、弾倉のようなものを備え連射が可能なクロスボウや、矢ではなく石弾を撃ち出すストーン・ボウなどがあります。状況に応じて使い分けてみるのも面白いでしょう。