ダートとは、細長い軸の先端に尖った刃や鏃を取り付けた、ごく短い矢のような投擲武器です。
全長は20~30cm前後、先端の尖った部分がその三分の一ほどを占め、殺傷力を高めています。軸の後端には弓につがえる矢のような安定翼が取り付けられている場合もあります。
最大の特徴は、小型で手軽であることです。そのため、ピルムやジャベリンなどと比べると威力こそ小さくなりますが、しかしその代わり、こういった大型の投擲兵器よりも数多く持ち歩くことができますし、短い時間の間にたくさん投げることができます。欠点を補うにあまりある性能を備えているといえるでしょう。
ダートは、軍隊の正式な射程武器としても用いられていますが、狩猟の道具としても活躍しています。
冒険者の間でも、ダートを使う者は大勢います。盾の裏や腰ベルトなどに数本ほど備えておいて、とっさのときの攻撃手段として、不意を突いた牽制などに威力を発揮しているようです。
冒険の際、後衛をつとめる職の予備武器、護身武器としても十分に役立ちます。
主武器として登場することは少ないとは思いますが、中距離から近距離での戦闘において、弓矢や投げ槍などの大型投擲兵器よりも頼もしい武器となってくれるはずです。
特殊な品としては、魔法の力を帯びたダートも存在しています。弓矢などにもありますが、投げると必ず敵に命中するものや、炎などの魔力を纏ったものなどが見られます。
さて、現実世界でのダートはもともとの武器としての存在から、スポーツ化あるいは玩具化されて世界中に普及しています。おそらくもっとも気軽に、かつ安全に射程武器というものを体験できる品ではないでしょうか？