一日の疲れを癒し、汚れを落とす場所

風呂

ファンタジー世界にも入浴の習慣があり、風呂と呼べるものがあります。風呂の形態は地域や文化、それに種族によって様々ですが、多くは公衆浴場です。

多く見られるのが蒸気を立ちこめた部屋で発汗し、垢を落とし身を清めるサウナ風呂。たいてい、水風呂や風通しのよい部屋も備えられています。

湯船に湯をはり、その中に入ることによる温浴効果を得る風呂もありますが、これは湧き出た温泉を利用することもありますし、石けんを入れて泡立て、湯につかりながら体を洗う場合もあります。

こうした風呂は個人の邸宅では殆ど見られません。湯を沸かすためには多量の水と燃料が必要ですし、そのためだけの設備も備えなければなりません。そのため、風呂を備えているのはよっぽどの豪邸でしょう。入浴を重視する種族や、そういった文化圏では風呂桶のある家は珍しくないかもしれませんが、それでも給湯設備まで完備している家はなかなか見られません。

タライや桶に湯をはっての行水や、ちょっと体を拭うくらいは風呂施設が普及していない土地であっても行われていますし、気の利いた宿屋であれば、ちゃんとそれらを用意してくれるのでお世話になった冒険者も数多くいることでしょう。夏期であれば日向水によって、燃料代を節約することもあります。

しかし長旅のあとなど、きちんと入浴したいと思う場合は前述したような公共の施設、町や村でときには個人が運営する公衆浴場を利用することになります。公衆浴場は衛生施設としてだけでなく、社交の場としても活用されているようです。また、男女の区別がない場合も多いようですが、しばしばそれを原因とする問題も起こっているようです。

かわった商売では流しの風呂屋という存在があります。風呂屋は、呼ばれた家に風呂桶を運び、湯を張り、入浴の用意を整えるのが仕事です。

決まった屋敷を回って商売する出入りの風呂屋もいれば、行商のように風呂桶を担ぎながら売り歩いた者もいるようです。身分の高い者たちの邸宅であっても風呂の設備のない場合もありますので、彼らはよく利用しているようです。もちろん、風呂屋は一般市民が利用することもあります。

さて、温泉もまたよく登場する風呂でしょう。温泉は、色や泉質(水質)などが、普通の水と大きく違うことも多く、ときには天然のポーションとして活用される場合もあります。それを巡ってのトラブルも、冒険者たちの飯の種として登場することもあるようです。

風呂場では人は基本的に丸裸でリラックスする場ですが、突然の襲撃がないとも限りません。しかし、武器となりそうなものは、軽石や手桶くらいのもの。落とすのは旅の汚れと垢だけにしておきたいものです。


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