一般に、ある程度の修行を収めた魔術師たちであれば、動物を支配する魔法も心得ていることもあります。しかし、あくまでも限られた数、種類の動物しか使役することはできないのが普通です。
ビーストマスターとは、動物たちと意志を交わし、自在に操る術に特化した能力を持った者です。多くの種類の動物を操ったり、より強力な獣を従えたり、あるいはその動物の本来の習性や本能を超えた命令を与えることができます。
ひとくちにビーストマスターと言っても様々で、動物を従わせるための呪文を専門とする魔術師、動物の神や、精霊の王などを信仰する神官、特殊な才能によって動物たちと心を通わせる者たちです。魔法的な契約をもって獣を操る場合もありますが、これは自然の動物よりも霊獣や幻獣といった特別な獣であることが多いようです。
彼らは動物たちと戯れる機会が多いためか、金属鎧などは身につけていません。魔法に関する制限なども関連するのでしょうが、だいたいは普段着に近い格好か、最低限の武器と革鎧といったところです。
動物たちを支配するための方法は、ビーストマスターによって様々です。代表的なものには、動物たちの真の名を知ることで魔術的な支配力を得る方法が挙げられます。
また、支配したい動物たちのそれぞれの神や、関連する精霊の王などに祈願して借り受けるという方法もあります。他には、自らが獣に姿を変えることによってその動物のリーダーとなるといった、変わった方法もあるようです。これはライカンスロープによく見られます。
多くのビーストマスターは、自然の中で動物たちと暮らしていることを好むため、とかく都会の匂いの強い冒険者とは相容れない性格の者も多いでしょう。
彼らにとって動物たちは友人でもあり、家族でもあります。もしも旅先でビーストマスターと出会うことがあれば、その者にはもちろん、動物の敵としての振る舞いは避けた方が賢明でしょう。
ビーストマスターへの道は険しいものです。動物たちの真の名を知るにしても、結局は信頼関係がないと教えてもらえないでしょうし、強力な術で無理矢理聞けば後々の関係にもひびが入りかねません。
ネズミを操ったことで有名な、「ハーメルンの笛吹」という話があります。ビーストマスターとは言えないかもしれませんが、強力な笛の魔力は印象的です。
さて、ここでは魔法などの超自然的な力によって動物を従わせる者たちに限った紹介をしましたが、作品世界によっては、長期の訓練によって技や芸を仕込む調教師なども含む場合もあります。
現実世界ではこのビーストマスターが主流ですね。しかし、動物を操るための調教術などは、代々受け継がれる秘伝であったりすることもあるので、やはり神秘的な職業という一面は持っているようです。