ビキニ・アーマーとは、女性戦士が身につける鎧のひとつで、現実世界でいうところのビキニスタイルの鎧を指します。
下着のように、胸や腰、あとは肩あてや腕甲および脚甲程度しか防衛部分がなく、どちらかというと「防具の欠如」といった方が正解に近いといえそうです。
身体の防御には、肩当て、胸当て、そして下半身にトライアングルビキニか、もっと過激であればマイクロビキニ型の装甲で覆っています。鎧の素材には軽い金属か、もしくは硬い皮革でできており、肌に直接触れるのを避けるため、おそらく同じ形の下地を身につけるなどの工夫をしています。
体以外では、頭の防具はダイアデム型かオープンヘルメットなどの顔を覆わない構造の兜を用いることが多いようです。手足は手袋やブーツ、もしくは手甲や脛当てといった防具を合わせて装備します。
このビキニ・アーマーの特徴はなんといってもその露出度でしょう。
主に軽装で、軽い身のこなしを活かした戦法を得意とする戦士が好んで用いる鎧、という傾向はありますが、鎧での受けができないので当然といえば当然です。
冒険の旅に出ればその途中、よく鍛えられ引き締まった体つきの女性戦士がこの鎧を身につけている姿を目にする機会は多いと思います。実用の鎧として扱われていますが、なかには、色気を武器のひとつとして使う女戦士が身につけていたり、見栄えを重視してビキニ・アーマーが支給される娘子軍などの場合もあります。
戦士の装備、と書きましたが、魔術師にもビキニ・アーマーを好む者がおり、とくに若い女魔法使いに多く見られるようです。
蛮族出身の戦士のなかにも、こうした半裸に近い恰好をした者がいますが、こちらは女性だけでなく男性の戦士にも見られます。これは気候や風習によって違いはあるでしょう。男性戦士のビキニ・アーマーもないわけではないようです。
さて、肝心の戦闘の際の防御性能ですが、魔法の品でもない限りは、やはり最低限の保護が限界のようです。手甲や盾、武器による受けの技術を磨けばカバーできるとして、それにしても世界中を歩き回る旅には向いていないようにも見えてしまいます。
体の動きを阻害しないこと。それが一番の性能かも知れません。しかし、岩場で転んだり、ジャングルを抜けたりするだけでも、露出した肌は傷だらけになってしまう可能性もあるため、あちこちに移動することの多い冒険者の戦士であれば、たいていはマントを一枚羽織っています。怪我や暑さ寒さ、虫から身を守るだけはなく、街には野獣より飢えた危険な生き物がいますから。……もっとも、彼女たちにとってはこれも悪い羽虫にしか過ぎないかもしれません。見とれている暇すらなく打ちのめしてしまうでしょう。