隠された刃が月夜に輝くとき

ブランド・エストック

ブランド・エストックとは、剣身を隠した仕込み杖の一種で、旅人や貴族の護身具としてや暗殺の武器として登場します。

普段はアッシュ・ピック(消防士が用いる斧)風のステッキに見えますが、中空構造になっていて、50~100cmほどの細身で真っ直ぐな剣身が納められているという仕組みです。留め金を外し、刃を引き出せばそれで立派な武器に早変わりします。

切りつけたり、突き刺したりと攻撃方法は基本的に通常のソードやショート・スピアーなどと変わりません。街道を荒らす野党や暴漢に対しては十分な威力を示すでしょう。

しかし、冒険者や傭兵が主な攻撃手段として使うような代物ではなく、怪物を相手にしたり、長い打ち合いを続けるような戦いには耐えられません。金属鎧に対しても効果は見込めないでしょう。

逆に言えば、町中で油断しきっている相手であれば、このブランド・エストックでも十分なのですが。……暗闇で命を狙われるような心当たりのある方は、注意しておいた方が良いでしょう。

魔法の武器としては扱いが少ないようで、古代遺跡の財宝としてや冒険の要となるような場面には登場する機会はほとんどありませんが、その一方で貴族の護身具や装身具としての性格から、工芸品として価値のある品は多いようです。

冒険者にとってはそれほど縁のある武器というわけではありませんが、こういった隠し武器の存在を気にとめておいても良いでしょう。


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