カーバンクルとは、額や頭の上に赤い宝石を乗せたような、もしくは宝石に似た器官を備えた幻獣です。この宝石を手にした者には絶大な幸運と富がもたらされると言われていますが、定かではありません。
山深くの森や、密林の奥などに住んでいるようですが、はっきりとは分かっていないようです。姿形も目撃者によって違い、はっきりとその全身を描くことは不可能だと言われています。
しかし、それぞれの情報に共通しているのは、小さな動物のようであったという印象と、前述の額の宝石の存在だけです。神秘の世界に住む幻獣なのか、太古の昔に人の手によって生み出された魔獣なのか、あまり記録が残っていないのが現実です。
もしかすると、額の宝石には何か幻惑の魔力が込められていて、自分自身の姿を記憶に残させないような魔法が発揮されているのかもしれません。
どうにも実体が掴みにくいためか、ユニコーンの角ほどには乱獲の対象にはなっていないのが幸いといえるでしょう。
現実世界ではカーバンクルという言葉は、ガーネットやルビーを指していますが、ファンタジー世界に登場するカーバンクルには「頭に赤い宝石」という共通点以外は、様々な描かれ方をしています。ウサギやリスに似た愛らしい小動物として、凶暴な獣人として、甲羅や鱗をもった水生生物として、あるいは額からビームを発射するカレー色の謎の生き物として。