チェイン・メイルとは、金属の輪をつなぎ合わせたシャツのような鎧です。鎖帷子とも呼ばれますが、日本古来の鎖帷子は小さな鎖を編んだ防具で、厳密にはチェイン・メイルとは違う種類となります。
直径2~3mm、輪の大きさ1~3cmほどの輪が互い互いにつなぎ合わされるように組まれており、最終的にシャツやパンツというように、各部位に合わせて形成されています。
腰までの丈のもの、膝まで覆い隠すもの、動きやすくするため前部にスリットが入っているものなど形状は様々です。
材質は鉄が一般的ですが、魔除けのために銀で作られたものもあります。また、大変貴重ですが、ミスリル製のチェイン・メイルも存在しています。これは非常に防御効果が高く、トロールの怪力から繰り出される攻撃さえも防ぐといわれています。
チェイン・メイルを身につけるときには、素肌を守るためクロース・アーマーなどを着込んでおきます。そして、敵味方の識別のため、あるいは日射しや寒気に晒されるのを防ぐため、戦場用のコートを着ることが多いようです。
斬撃には強い防御効果を発揮する反面、刺突に対しては脆いという欠点があります。殴打に対しては下地に着込んだクロース・アーマーが衝撃を緩和する役割を備えています。また、金属輪が音をたてるということで、隠密行動を必要とする職業の者たちには好まれていません。しかし、重量も案外軽く、金属板で身を固める鎧とは違って動きの自由度も高いため、非常に使い勝手の良い防具でもあります。
さらに、体制さえ整えることができれば、大量生産も可能なため、正式な支給鎧として多くの軍に採用されています。もちろん、様々な局面で剣を振るうことの多い冒険者にも愛用されています。
金属の輪を使った鎧には他にリング・メイルもあります。これは革鎧に金属の輪を縫いつけたもので、粗悪な、または安価なメイルとして登場することもあります。しかし、縫いつけてあるという点で、音を立てるという欠点を克服しているため、盗賊やレンジャーといったものたちが用いることもあります。