ファンタジー世界にも様々な災害が起こります。
嵐がやってくれば、建物は壊され、木々はなぎ倒され、畑の作物は荒らされます。大雨が長く続けば、河川は簡単に氾濫してしまいます。日照りが長く続けば、深刻な水不足に陥ります。
地震、雷、火事などに対しても、効果的な防災設備が整っていない場合も多く、現実世界よりも大きな被害がもたらされるようです。
さらに、ファンタジーならではという災害も存在します。モンスターの襲撃や、封印された邪神の復活などがそうです。
モンスターや邪神による災いというのは、一般人には防ぐことは難しいでしょう。なぜならば、これらには戦って勝つしか道はないからです。農具や工具はときに武器としても活用されますが、闘いの訓練を受けていないかぎりどうしようもありません。小さな村や集落ならば、家に立てこもってモンスターたちが通り過ぎるか、助けが来ることを祈るほかないようです。
邪神の復活ともなれば、これは世界中が危機に陥る可能性もあります。しかし、これほどの災害ともなれば、古い神話や言い伝えなどに回避する、あるいは打ち勝つための手段が予言されていることもあります。伝説の勇者の出現などが有名でしょうか。
どのような災害が訪れるにせよ、そこで人々は自然の猛威を目の当たりにするはずです。剣と魔法を振りかざしてブイブイいわせている数多の英雄たちも、例外ではありません。
モンスターの襲撃といえば、現実世界にも似たようなことは起こっています。
イナゴの多量発生によって畑の作物が壊滅的打撃を受けるといったものや、赤潮による漁業被害などは毎年のように報告されているくらいです。
しかし、一番怖いのはやはり地震かもしれません。一部の種族をのぞいて地面を離れて生きていくことはできないのに、その地面が揺れて何もかもを破壊してしまう……
ファンタジー世界ではきっと、大地の神を信奉する人たちの数は多いと思います。また、信仰と自然の恵みへの感謝を忘れた文明への継承として、神自身が災害を引き起こす場合もあるようです。
災害にまつわる冒険は、おそらく普段の旅とはひとあじもふたあじも違う過酷なものになるかもしれません。普段の備えがものをいうのは、ファンタジー世界も現実世界も同じだと思います。