魔法の力を打ち消すための魔法

ディスペル・マジック

ディスペル・マジックとは、魔法の効果をうち消してしまう術です。

この術は魔法をかけられた人物や場を対象とするもので、たとえば空を飛ぶ魔法、姿を変える魔法、不可視の楯を創り出す魔法、増速減速自在の魔法、火炎の壁を創り出す魔法、眠りの魔法、麻痺の魔法、混乱の魔法、幻影を生み出す魔法などなど、ほとんどの魔法に対して有効で、有益な効果でも有害な効果でもたちどころに取り除くことができます。

そのため、ディスペル・マジックは魔法使いが身につけるべき大切な術として、習得するレベルも比較的初歩に設定されている魔法となっています。

これは、強力な魔法を知っているだけではなく、それらの魔法に対応する術を知っていることが、魔法使いとして一人前の証である、と考えられているからです。

万能的な印象のあるディスペル・マジックですが、この魔法の弱点、難点もあります。対抗する魔法が効果を現したあとでないと打ち消すことができないことです。

つまり、一瞬で仕事を終えるような魔法、たとえば爆発や電撃、かまいたちを生み出す魔法などに対しては、意味がないということです。それらの術によって生じた怪我を癒やすことはできないわけです。呪文の完成とともに即座に死をもたらす魔法であれば、その死を覆すことはできません。雨雲を召喚して雨を降らせる術に対して用いれば、雲をかきけすことができても濡れた地面は乾かない、という具合です。

また、ディスペル・マジック自体も一瞬の魔法ですので、ディスペル・マジックによる打ち消しの効果をディスペル・マジックによって打ち消すことも不可能です。

ついでにこの魔法は術者の力量が大きく作用する点についても挙げておきましょう。熟練魔法使いの創り出した幻覚を、見習い魔法使いのディスペル・マジックにて打ち消すことは至難の業となります。

逆に、見習い魔法使いが持てる力を振り絞って創り出した炎の壁を、熟達した魔法使いが片手間にかき消してしまうこともままあります。

とはいえ、覚えておくべき魔法であることは間違いないようです。他の強力な魔法を覚えることも大切ですが、その上でこのディスペル・マジックを身につけておけば、最高の切り札となるかもしれません。

種別
呪文
種類
解除
レベル
初級~中級
関連キーワード
アンチ・マジッック・シェル/カウンター・マジック

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