デュラハンとは、死の床にある者の家を訪れ、その死を告げる亡霊です。
姿は首無しの騎士、といった出で立ちです。甲冑に身を包み、剣を帯びているか、槍を構えており、左手には楯の代わりに自分の首を抱えています。戦車、簡単に言えば二輪の馬車に乗っているか、馬にまたがって登場するようです。この馬もやはり首無しであることが多いようです。
デュラハンは一度か、二度訪れます。一度の訪問で済ますデュラハンの場合は、死の前日か当日にあらわれます。二度訪れるマメなデュラハンの場合は、一度目は死の一年前。二度目は冥界へと送り届ける日、つまり命の灯が消える日です。
そのいずれかの訪問を阻めば、死を免れると言い伝えられています。しかし、たとえどんなに頑丈に戸や窓を閉めきっても、いつのまにか忽然としてあらわれます。
彼の騎士を退けるには戦い、うち破るしかありません。戦うのは死を告げられる本人以外でも良いようです。
戦死を誉れとする武人は、病床の死を悟ったとき、自らの首をはねることがあります。そして、彼らこそがデュラハンへと生まれ変わると言われています。
彼らは死を告げて回る、その行動から死に神に仕える騎士ではないかと推測されていますが、詳しいことはわかっていません。
死を告げる方法はいくつかあります。戸口に矢を立てる、血を塗りかける、ノックして招き入れてもらう、などです。
死を告げる役割を持たずに登場するデュラハンも存在し、その場合もやはり手強い騎兵として敵対することになるでしょう。馬上から槍か剣を巧みに振り回して戦います。片手には首を抱えているので楯をもっていないことが多いようで、そのあたりが攻めどころとなるでしょう。彼らは古城や古戦場に出没します。十分に気をつけねばならない相手であることには間違いはありません。