不可視の力よ、彼の刃に宿れ。触れ得ざるモノを裂け!

エンチャント・ウェポン

エンチャント・ウェポンとは、魔法の力を持たないごく普通の武器に対して、一時的に魔力を与える呪文です。付加される魔法の力には、炎や冷気、電撃の効果を発揮するものがありますが、ここでは特定の属性をもたない純粋な魔法力を付与するものを指します。

呪文が発動すると、対象の武器がもつ物理的な攻撃力に、魔法的な攻撃力が上乗せされ、刃物であれば切れ味が、刺突武器であれば貫通力が、鈍器であれば打撃力が補強されます。弓や弩に対してかけられた場合は、その弓もしくは弩から放たれる矢すべてに効果を発揮します。たんに飛距離が増すだけのパターンもあるので、呪文の効果をよく調べてから使うのが良いでしょう。

エンチャン・ウェポンによってその武器の威力は格段に増加することになるわけですが、増幅された武器の威力はあくまでも魔法的な威力です。もし、戦う相手が魔法的な力を無効化することのできるのならば、このプラス分の攻撃力は届きません。

もちろんこれは逆の場合にも当てはまり、ゴーストや精霊といった肉体を持たないモンスター、通常の武器での傷を無効化してしまう相手にも傷を負わすことが可能となります。

たとえば、ヴァンパイアであれば、霧状になった場合には物理的な攻撃は全く効かないのですが、付与された魔法ダメージだけは通ります。実体化している場合なら両方のダメージが通じるはずです。

呪文の効果時間や付加される魔力の強さについてですが、これは術者の力量によって増減するようです。味方にかける呪文であり、また、普通は武器は抵抗したりしないため、術そのものに失敗しない限り必ず効果を発揮します。術のレベルとしては、初級に分類されていますので、おそらく多くの魔術師が会得していることでしょう。

すでに永続的な魔法が込められている武器には効果を及ぼさない、という注意点はありますが、どのような局面においても使って損のない呪文と言えそうです。もっとも、雑魚レベルの敵との戦闘であれば、仲間の戦士を信頼した方が魔力も温存できて良いと思いますので、むやみな乱用は避けるべきですが。

基本的に呪文の詠唱か、それに伴う簡単な手続きでエンチャント・ウェポンは発動します。一方で、永続的に魔力を帯びさせるための術もありますが、こちらはもっと大規模な儀式が必要となる場合が多いようです。もちろん、呪文としても別物です。

呪文の詠唱ではなく、直接、対象の武器に特定の記号や呪術文字書き込む場合があります。魔術というよりも呪術、おまじないなどに類する魔法です。

この方法は、派手さはありませんが、魔術の心得がない者でも行うことができ、しかもその文字が消え落ちたり摩滅しない限り魔力が続くという利点があります。(強力な使い手による呪文「ディスペル・マジック」であれば、これも打ち消される可能性はあります)

銃弾に刻み込んだヘブライ文字、刀身に書き写した経文、槍の柄に描いたルーンなどがこれに当てはまります。

いずれの方法にせよ、エンチャント・ウェポンの呪文は、魔法と剣の力が一体となる技のひとつです。きっと、運命を切り開く際の手助けになることでしょう。

名称
エンチャント・ウェポン(Enchanted weapon)
関連キーワード
魔法剣士, 魔剣

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