ファイア・ボルトとは、魔法の力によって火炎の矢を生み出し敵に射る呪文です。主に直接的な攻撃手段として用いられます。
術が発動すると一本あるいは数本の燃える矢が作り出され、標的めがけて飛んでいきます。矢の軌道は直線上の標的に向かってまっすぐに飛ぶだけのものや、自動的に障害物を避けながら追尾するもの、標的の頭上から降り注ぐものなど幾つかのパターンがあるようです。
火の精霊がそばにいないと発動しないなどの制限がある場合だと、この術はランタンや松明、焚き火などからほとばしる火の矢や弾丸となって撃ち出されます。あるいは、火の精霊サラマンダーの燃える舌、息吹そのものがファイア・ボルトとなります。
火は身近にあるものなので、迷宮探索や野営時においてのとっさの戦闘などに次の手を打つまでのつなぎの手段としても活躍する術といえるでしょう。
比較的初期に覚えられる術であり、未熟なうちは威力もそれほど強力でもありませんが、炎と熱による打撃は侮れません。ほとんどの生物に対して、火の属性による攻撃は有効だからです。効果をもたらさない相手としては、無機物素材のゴーレム、雪や氷の幻獣くらいでしょうか。彼らを標的にした場合は、矢状の炎は突き刺さることはなく表面で弾かれ、またはかき消されてしまいます。
戦闘時以外ではファイア・ボルトはあまり活躍はしないようです。遠く離れた場所に着火させるなど、火の特性を活かした利用法はあるかもしれません。
さて、敵がファイア・ボルトを用いてきた場合の対処法ですが、対抗呪文としては、「ディスペル・マジック」「アンチ・マジック・シェル」「カウンター・マジック」「シールド」などが挙げられます。
ファイア・ボルトは瞬間的に効果を発動するタイプがほとんどなので、ディスペル・マジックでは精霊由来の術を解除することができるでしょう。精霊の召喚そのものを解除しまうわけです。
アンチ・マジック・シェルはその場での呪文発動そのものを無効化します。
カウンター・マジックやシールドなどの呪文は、魔法に対する抵抗力を上げたり、不可視の盾で防御するためのものです。当然、相手の術のレベルが格上であれば、防ぎきれない場合もあります。
そうなると気合と我慢です。火と熱による苦痛は耐えるしかありません。幸いにも、ファイア・ボルトの効果は一瞬です。ほら、詠唱が終わりました。さあ、腹に力を込めて歯を食いしばって備えましょう。