拳闘士とは、闘技場で素手での戦いを観客に見せる戦士を指します。
彼らは一切の武具を身につけることはありません。ときには丸裸で戦うこともあります。ただし、拳の保護と強化のためのセスタスという武器を装着しています。
セスタスは基本的には拳を固め、握り混みやすくしてパンチ力の強化をはかり、同時に指の脱臼や骨折などを予防する効果があります。ただの革ひもから、腕を覆って鉄の爪を備えたようなものまで、そのバリエーションは豊富です。しかし、基本的には拳闘士の武器はやはり、ふたつの拳とそれを繰り出すための力や技でしょうね。
彼らも剣闘士ほどではないものの、人間相手だけではなく、猛獣などと戦わされる事もあります。爪と牙と強靱な肉体を持つ獣に対して素手で打ち勝つ、という拳闘士の姿に観客が熱狂することもしばしばです。（もちろん、逆に無惨に殺されてしまう試合にも）
拳闘士は文字通り拳のみという者も多いのですが、総合格闘技などに通じ、足技や関節技を駆使して戦う者もいます。
武器を用いないという点で、剣闘士の試合とは比較的安全と言えます。しかし、敗者の生存権を認めない場合もありますし、鍛えあげた強打や関節技によって深刻な障害を抱えてしまうこともあります。そのため、悲惨な最期を遂げる者は決して少なくありません。
このあたりは剣闘士とあまり違いはないようです。