ゴブリンとは、人間の子供の大きさほどで醜い姿をした種族です。いたずら好きな妖精としてだけでなく、卑劣な妖魔として描かれて登場する機会も多いでしょう。
鉤状に曲がった大きな鼻、落ちくぼんでぎらぎらとした目、尖った耳などが特徴的です。肌には、赤みを帯びていることが多く、赤褐色や赤銅色などです。額にちょっとした角を持っている場合もあります。このことから、小鬼と呼ばれることもあるようです。
背も低く貧相な体格ですが腕力に優れており、また歯も鋭く尖っているので、戦う相手としてなかなか侮れません。ゴブリンは基本的に雑魚扱いですが、強力なパンチ技を放つなど、手練れの冒険者を苦しめる例もあるようです。
ゴブリンの性格は粗野で凶暴ですが、一方では相手の方が強そうだと判断したら仲間を見捨ててでも逃げ出してしまうような臆病さも目立ちます。しかし、弱い相手にはより攻撃的になるなどのちょっと卑怯な一面もみられます。こうした特性がザコモンスターとしての扱いの原因かもしれません。
ゴブリン族の知性は人間並かそれよりやや低いとされています。また、ほとんどのゴブリンは本能のままに行動します。しかし、未熟ながら独自の言語も持っていますし、頭の良いゴブリンならば片言とはいえ人間語を話す者さえいます。
彼らは族長を中心とした集団で生活をしています。まれに、コボルトやホブゴブリンとも共同の群れを構成している場合も見られます。
彼らは人里近くの洞窟や、うち捨てられた建物などに住み着くことが多く、しばしば家畜や作物を盗みに近くの集落を襲うことがあります。これは狩りの一種で、彼らはそうやって放浪しながら生活を続けています。襲われる村人たちにとって見れば十分な脅威といえますが、戦闘集団としては脆い面があるため、予想外の反撃を示せばすぐに去ってしまう可能性もあるでしょう。
手練れの戦士や冒険者からすれば雑魚扱いされることも多いゴブリンたちですが、ごくごくまれに冒険者の一行に混じっている姿が見られます。敵役、やられ役としてだけでなく、今やファンタジー世界に欠かせぬ種族と言えるでしょう。
ゴブリンの亜種に、ホブゴブリンという種族がいます。ホブゴブリンの方もいたずら好きとされていますが、ゴブリンのほどの邪悪さは薄れ、やや大人しい気質だと言われています。
ゴブリンもホブゴブリンも人間やエルフなどと同じような、知的種族として扱われることもあります。この場合、粗野で乱暴な社会ルールを持った蛮族として扱われることが多いようです。
(当ファ辞典でも亜人種として扱いたいと思います。)