ヒーリングとは、対象となる者の傷を癒す、神聖な力や生命を司る精霊などの力を根源とする魔法です。
回復魔法、神聖魔法と呼ばれるカテゴリにおいて、基本的かつ重要な役割を果たす呪文ですが、もちろん、いくつかの種類や制限もあります。
たとえば、術者が触れた対象にしか効果をあらわさなかったり、傷をふさぐだけで体力の回復は行わない、または傷の種類に応じてそれぞれの呪文を使わなければならない、といった具合です。
呪文によっては対象者の回復力を手助けするだけの効果しかない地味な場合もあります。その一方で、上級の部類になると、一度に仲間全員の傷を癒す効果をものもあるようです。
注意しなければならないのは、毒の刃などで傷つけられた場合です。たいていのヒーリングの魔法は解毒の作用を持っていないので、別途、それらの対処をしなければなりません。傷を塞いでも毒が回ってしまえば意味がないわけですから。
また、ヒーリングで回復できるのは、生き物が負った怪我に限られています。ゴーレムの修復やアンデッドが負った傷などに対してはまた別の呪文を用意するべきでしょう。
ヒーリングは、もっともわかりやすい奇跡のひとつです。神の奇跡としての性質を持っていることから、神官系職業の者がつかうヒーリング魔法には、不死生物、つまり負の生命体に対する攻撃魔法という側面も備えていることもあります。
生者に癒しをあたえる力が、そのまま、さまよい歩く死者を打ち払う力となるわけです。