家屋とは、家、つまり市民の住居です。寝室、台所、居間、などで構成された建物で、住人の身分や財産具合にもよりますが、基本的にはだいたい似た設備があります。
建物としての種類については、マンションやアパートのようなものはほとんどありません。現実世界と同じく長屋や戸建ての平屋、二階三階建てのものはあります。
商人や職人などの住む家ならば、一階が仕事場や売り場を兼ねていて、二階から上を住居として使います。こういった商家は、奉公人などの住まいを抱えることも多いので、他の家よりも比較的大きな建物となります。
家屋の材質についてですが、これはその土地の気候などによって様々な種類があります。
木材が手に入りやすい地域では木造家屋が一般的なものとなります。堅牢な城塞都市などでは石造りの家を見ることが多いでしょう。乾燥した地域では日干しレンガや、練った土と石の家が建ち並んでいます。遊牧をしながら暮らす人々の家は、持ち運びのできる組み立て式の物となります。
エルフ族などのなかには樹上都市、ドワーフ族なら鉱山跡を利用した地下都市などを築いていることもあり、実に多用な家が存在します。
しかし、どのような形の家であれ、平和な日常生活の場であるということだけはみな同じです。
根無し草である冒険者や傭兵にとっては、家と呼べるものはありません。もちろん、家族がいれば実家くらいはあるでしょうし、稼いだ金で家を建てる者もいます。しかし、基本的には彼らにとっての家とは、酒場や宿屋となります。それも資金が尽きれば、追い出されてしまうのがオチですが。
他人の家であれば、冒険の途上でしばしば登場します。道に迷った末に辿り着いた一軒家であったり、避難小屋であったりです。嵐を避けて立ち寄った古い館、というのはちょっと注意した方がいいかもしれません。館の住人が善人とは、いや、人間であるとは限りませんから。