わしがおうさまじゃ

とは、王政国においての最高権力者であり、絶対的な支配者である者を指します。国のすべての政策は、この王によって定められます。司法の長でもあり、裁判も行います。とはいっても、本当にすべてをひとりで片付けていくわけにもいかないので、それぞれの職務につく臣下がいて、それぞれに応じた権限を与えるという存在です。

国のすべてが王の財産であることから、当然、贅沢三昧な暮らしを送ることはできます。しかし実際は、外交、経済、軍事、社会基盤の整備などの政策を決断し進めていかなければならず、山ほどの仕事を前にして遊んではいられないようです。

王に必要な資質としては、豊富な知識、難局を切り抜ける知恵や機転、ときには非情な冷酷さも必要になるでしょう。大勢の人間を束ねる、その未来を確約するためには、人が良いだけでは務まりません。もうひとつ、人を見る目というものを備えていれば優れた人材を登用することもできるでしょうから、多少は負担も軽くなるはずです。

また、臣民に忠誠心を抱かせるようなカリスマ性が必要となることもあります。それは戦場における勇敢さであったり、美しさであったり、先祖の偉大さであったりするわけですが、まれにこれをでっちあげる王や女王もいるようです。

良き王ばかりとは限りません。民衆の生活の上にあぐらをかくだけの暗君もいます。国内においては無茶な税金や、自分にだけ都合の良い政策をとり、他国への侵略も企てているかもしれません。しかし、このような王はいずれ、これを打ち倒そうとする流れの中に放り込まれる運命にあるようです。

王の普段の服装は、ごく軽装のものです。王宮に出入りする他の貴族たちとさほど変わりません。公の行事などでは形式的に剣や王冠を身につけ、引きずるほどゆったりとしたマントと豪華な服を着て登場することが多いようです。また、威厳を保つため、立派な髭をたくわえたり、ある程度太るなどして体を大きくしている場合もあります。

戦場では、儀礼的な装飾を施された甲冑を身につけ、その上に豪華なコートなどを羽織っています。もちろん、陣頭指揮をとるような勇猛果敢な王などは、実践的な装備に身を固めています。王家に伝わる魔法の武具などを身につけていることもあるでしょう。

王はしばしば、冒険者たちの最後の職業として描かれることもあります。『キンメリアのコナン』の英雄コナンも己の剣のみで王国を手に入れますし、『指輪物語』のアラゴルンなども旅の果てはアルノールとゴンドールの再統一された王国の王となりました。他にもファンタジー世界には家系や出身に頼らず、王となった者は大勢います。

奴隷剣闘士から成り上がった者、戦場で活躍し武勲を重ねて辿り着いた者、さらには圧政をしく王を打ち倒し、良き王として君臨するという物語も多くの吟遊詩人が語り継いでいます。

しかし、王というものは、それになってからが大変なようです。

かつて冒険者や傭兵だった王は、どんな揉め事も剣一本で解決できた若かりし時代を懐かしんでいるかもしれません。

名称
王(King)
関連キーワード
皇帝, 領主

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