ロング・ボウとは、単一の素材で作られた、長い弓を指します。ショート・ボウとの違いはその長さです。
全長は150~180cmほどですが、200cmを超えるものもあります。
ショート・ボウと比べると、こちらの方が長さがあるだけ取り回しにやや難があるものの、威力は遙かに上となっています。そのため、予備の武器としてではなく、専門の職業、アーチャーたちによって主武器として扱われることが多いようです。
クロスボウと比べれば、ロングボウの利点は速射性と日頃のメンテナンス性にあります。それに、訓練さえ積めば、馬などに騎乗しながらでも射ることが可能です。武力としては魅力のある武器ですが、しかし、接近戦や狭いダンジョン探索には向いていないため、冒険者がロングボウを選ぶ機会はそれほど多くはないでしょう。ただ、一行のなかにアーチャーが一人いれば、遠距離からの先制攻撃や援護射撃によって戦況を有利に運ぶことができるという点は見逃せないと思います。
ロング・ボウの殺傷力は非常に高く、手練れのアーチャーによれば、ドラゴンさえも射殺すことができるといわれています。訓練すれば数秒に1本という速さで射ることもでき、他の近接武器を持った戦士にひけをとることもないでしょう。
ただし、近距離では対応しきれなくなるため、接近専用の武器か、あるいは早めに後退する判断力を備えておく必要があります。
長弓の使い手としては、エルフの存在が欠かせません。彼らは小さな頃から自分だけの木を育て、成人した証として、これを材料に一本の弓を作るという風習を持つエルフたちもいます。エルフたちは長い生涯をともにするであろうこの弓をとても大事にします。おそらく、他の者は触ること許されないであろうし、あるいは他の者には使えないという魔力がこもっていることもあります。
それ以外にも魔法の弓も存在します。放つ矢に自動的に炎を付加する弓、必ず矢が命中する弓などです。また、弦をはじく音に魔除けの力が宿っているいう考えもあり、神聖な儀式に用いられる特別な弓も存在します。
剣ほどではないかもしれませんが、弓もまた戦いや戦場の精神性を表す武具のひとつといえそうです。