ここでいう魔法とは極端に言えば、自然現象を人間の手で再現する技術です。魔術とも呼ばれています。ここでは魔法と魔術はほぼ一体の用語として扱います。
嵐を静め、日の光を強め、風を起こし、雨を降らし、動物と会話し、暗闇を払い、光に闇を広げ、泥水を浄化し、仇を患いつかせ、来年収穫する米を増やし、二人に恋心を芽生えさせる。
それが偉大な魔法の数々です。
魔法にはいくつか種類があります。どの力を支配するか、どの力を借りるかなどによって分けられます。自分が信仰している神様に祈り、奇跡を起こす魔法。精霊と交信し、その力を借りる魔法。マナを解放し、自在に操る魔法。死霊に働きかけ、その力を利用する魔法などが挙げられます。このあたりは作品世界によってそれぞれ特色のある仕組みや技が登場します。
注意して考えなければいけないのは、ファンタジー世界に登場する魔法は、現実の歴史に登場した魔術とは違う、ということでしょう。
もちろん、現実の魔術の考え方を継承したり、流用している部分もたくさんあります。
人間の行える魔法は、自然というおおきな魔法の一部に過ぎません。魔法とは、そういった自然の営みを理解し、学び、体現するための秘法でもあるのです。