どうやら、魔法技術というものが発達していくと、創造神への挑戦が始まるようです。魔法の文明が最盛期を迎えた時代の遺跡からは、いくつものそういった痕跡が見つかっています。
こうした行為に及んでいた魔法使いたちは造物主としての力を示すために、競うように魔法によって生命を生み出そうとしてきました。
疑似生命は、様々な材料から作られた肉体に宿ります。ゴーレムのように食事や呼吸すら必要としないものや、人間に近いホムンクルスなど、その種類は豊富です。
前述したような目的以外にも、たとえば忠実な下僕や死を恐れない兵士などを欲する場合もあります。今日につたわる付与魔術のなかにはそうした呪文がいくつか見られます。
さて、魔法生物を生み出すことは大変難しく、多くの失敗があります。それら失敗作は廃棄されるのが普通ですが、まれに強靱な生命力をしめし生き延びるものもいます。
通常の生物と違い、たいていは繁殖能力を持たないか、ごく弱いようですが、野生化した魔法生物によって危険にさらされた旅人も多くいるようです。また、古代の遺跡にはまだ多くの魔法生物が忠実に命令を守っている場合もあります。
古代遺跡に潜ったときにそうした彼らの姿をみることもあるでしょう。そして、あなたを撃退したあとも変わらず、その迷宮を守り続けるはずです。