どうじゃい、こいつぁ我ながら…業物じゃぞ

剣が出来るまで

刀剣を造るのは主に刀剣鍛冶職人たちです。一般的には刀剣は、鍛造法によって造られます。

炉で真っ赤に熱した鉄を取り出し、金床に置き、それをハンマーで叩いて伸ばしていきます。ひとりでこれを行うこともあれば、ひとりが熱鉄を持ち、もうひとりあるいは数人で打ち付けることもあります。

叩いては熱し、熱しては叩きを繰り返し成型していきます。だいたいの形がここでできあがります。このとき、性質の違う鉄を幾重にも、または交互に重ねて鍛えることで、美しい紋様や優れた性能を生み出すこともできます。

炭素を含んだ熱鉄を水などにつけて急激に冷やしてやると、柔らかい鉄は固い性質もつことができます。これを焼き入れ法といい、刃物を造るには欠かせない行程となります。

しかし、硬いだけでは刀剣は、打ち付けたときに折れてしまうこともあります。ガラスと同じです。硬いということは同時に脆くもあるわけです。そこで、再び焼き入れのときよりも低温で再加熱すると、焼き入れによってできた内部のひずみが取り除かれ、粘り強さを回復します。これを焼き戻しといい、剣への衝撃を緩和するための性質を生み出します。こうして、硬さと粘りをもった剣身ができあがります。あとは研いで刃をつけてやればだいたい完成です。

焼き入れに使う液を水ではなく油に変えてみたり、刃の部分によって冷却の時間差をつけて硬さと粘りのバランスをとるなど、様々に工夫された技術があります。

鍛造技術を持たない種族や、何か大量生産する必要がある場合などは、熱した鉄を型に流し込んで固めるだけの方法もあります。鋳造法といいますが、形を作ったあとの行程はだいたい同じです。この場合、ほとんど柄と刀身は一体です。

さて、ファンタジー世界では、曰く付きの品を混ぜ込んで鍛えたり、焼き入れに人間や亜人種の生贄の血を用いたり、ときには刀匠自ら真っ赤な炉に飛び込んで肉体と生命ごと材料とする場合さえあります。そうして出来た剣は、妖刀、魔剣の類いとして登場し、多くの悲劇と伝説を残すことが多いようです。

種別
知識/技術
関連キーワード
鍛造/鋳造/精鉄/たたら製鉄
関連キーワード
焼き入れ/焼き鈍し/焼き戻し/焼きならし

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