迷いの森とは、森への侵入者を惑わす一種の罠で、外界との接触を嫌うエルフ族の住む森に多く見ることができます。
まず、方位磁石を効かなくして旅人を迷わせる森があります。これは魔法によるものだけでなく、そのあたりの地質などによって引き起こされる場合もあります。
ある種の結界を張り巡らせることによって、一度入ると決して出られなくなるようにする空間閉鎖型。幻覚の魔法によって感覚を混乱させる催眠型。
森の中の空間をねじまげて「まっすぐ歩いていたはずなのに、元の場所に戻っていた」という振り出しに戻るタイプは空間閉鎖型でしょうか。
さらにひどいものになると、肉体を眠らせて、森の中を歩き回っている夢を見させるというものもあります。これも催眠型ですね。
これらのほとんどは人為的な魔法によるものです。それも恒久的に効果が持続する強力な魔法です。
こうした迷いの森の発生は、エルフ族や他の妖精たちが自分たちの暮らしを守るために魔法をかけた場合や、森に封印された邪悪な神の呪いによる場合などがあります。
ごくごくまれにですが、その森の地形がたまたま幻覚を引き起こす魔法陣を形づくっていた、ということもあります。
なんにせよ、どれだけ優れた魔法使いであっても、個人の力では森にかけらた術を解除することは難しいとされています。
迷いの森を抜けるには、森の主に許しを請うのがいいのですが、そううまくはいかないでしょう。それよりもそうした怪しい森は、迂回してしまうのがもっとも被害にあわないための最良の方法かもしれません。急がば回れ。