傭兵とは、金銭で雇われて戦うことを生業とする者たちです。
彼らは戦場から戦場へと渡り歩きながら暮らしています。個人で生計を立てている者もいれば、何人かで、ときには何十人何百人規模で支え合っている集団もあります。
傭兵には表向き、主義主張や忠誠心など持ち合わせていません。己の技量に支払われる報酬を目的に戦へ赴きます。それだけです。
傭兵への報酬は、彼らが戦場から帰ってきたときに支払われるのが一般的です。また、略奪による戦利品を認めている場合もありますし、敵方の名のある武将を打ち倒すなどの働き如何によっては、報奨金を受け取ることもあります。
当然のことながら、腕のいい傭兵や名のある傭兵団には、それなりに高額の報酬が用意されます。前払いをしてもらえることもあります。
傭兵を雇う者たちの中には報酬の支払いを渋る者もいますし、また、傭兵を自分の兵士を温存するための捨て駒としか考えない者もいます。
もちろん、傭兵たちにも雇い主を選ぶ権利があります。傭兵にとってあまり良くない噂があれば、その職場を拒絶するのが普通です。前述したような金払いに渋い指揮官を避けるくらいのことはするでしょう。
ひとくちに傭兵といっても、その出身や目的は様々です。国を追われた犯罪者、敗残兵、野良仕事に嫌気がさした農民、亡国の騎士、継ぐべき資産のない貴族の子弟、武者修行の戦士など挙げればきりがありません。国家が商品として人材派遣を行う場合もあります。
個人で傭兵稼業につく者はとくに、友人を作らないことも多いようです。昨日の友が、明日の敵となることがあるからでしょう。厳しい世界です。