ネクロマンサーとは、死霊魔術師、死人使いと呼ばれる者で、霊や不死生物を使役する魔法使いです。彼らの術は、死体からアンデッド・モンスターを作り出したり、現世をさまよう霊や、冥界に住まう魂を召喚し、意のままに操ることに特化されています。
ネクロマンサーの職業による装備や行動の制限など一般の魔術師とほぼ変わりないようです。ローブの色が死を想起させる黒系等が多いでしょう。また、死霊の好む香を焚き込めたりしている場合もあるので、独特の匂いを発しているかもしれません。
彼らのなかには究極の目標として、最強の不死生物となることを掲げる者もいます。あるいは、最強の不死生物を召喚したり、作り出すことを目指しているなどです。そのため、強い生物の死骸を収集したり、より強力な霊を求めて冥界の深い領域を探索したり、怪しげな術を開発研究などに励んでいます。。その副次的な産物として、ときおり大規模な生物災害や呪いをもたらすなどの事件を起こしています。
しかし彼らのすべて邪悪な魔術師というわけではありません。
死霊魔術には戦場で倒れた兵士を一時的に使役し、故郷や家族のもとへ帰すためのものや、死に別れた者に再会したいという願いをかなえる反魂の術などがありますが、それらを悪用したりせず、人のために用いているネクロマンサーももちろん存在します。
とはいえやはり冒険者たちの敵としての役割は多いといえるでしょう。そして、ネクロマンサーはけっして一筋縄でいく相手ではありません。
ネクロマンサーの拠点にはスケルトンやゾンビが徘徊し、彼らは不眠不休で警戒に当たっています。また、ゴーストなど壁をすり抜けてやってくる敵にも備えなければいけません。要所にはとくに手ごわいアンデッド・モンスターが配置されている可能性も高いでしょう。
さらに、中途半端な侵入は返り討ちに遭った挙句、ネクロマンサーの新たな手勢として使役されてしまいます。
こと戦いの場において、ネクロマンサーの存在は厄介です。倒れた兵士のすべてが彼に味方する可能性があるからです。戦いが長引けば長引くほど戦況は不利になっていきます。襲い掛かってきたとしても、戦友の姿に剣も鈍るでしょう。
非人道的な術も多いことから冒険者としてのネクロマンサーの存在はごくわずかのようです。いたとしても、人々に与える印象もよくないことから、あまり表立って活動はしません。
冒険の途上で倒れたとき、手を差し伸べてくれるネクロマンサーがいたら、すぐに起き上がりましょう。再び活躍の時です。相対するのがかつての仲間でありませんように……