石化とは、体が瞬時にあるいは徐々に石に変化してゆき、ついには石像と化してしまう現象を指します。生物であるはずの肉体が、無生物である石へと変わり果ててしまうのは多くの場合、呪いや魔法が原因です。
石化をもたらす呪文は高位に属していて、扱える魔術師は少なく、またそれによる犠牲もまれといえるでしょう。人間が石と化してしまう、という話のほとんどは神の怒りを受けてのことや、怪物の石化をもたらす能力などによるものなどです。
生きたまま石となることは、死と同義語、あるいはそれよりももっと恐ろしいこととして認識されています。肉体だけでなく魂さえもとらえられ、石化が解かれない限り永遠に続く生となってしまうからです。また、その身が砕けたとしても、死をもたらすことなくやはりそのままの姿で生き続けなければいけません。おそらく、本人にその自覚はないでしょうが。
石化を解けば、ただちに元の肉体へと戻ることができます。多少のひびわれや、欠けた部分があっても、蘇ってしまえば怪我のひとつでしかありません。ただし、それが生命活動にとって重要な部位であれば、石化を解いたあとの生存は保証できません。しかしもし割れてしまっていても、石像として修復したあとでならば、復活の可能性はあるようです。
とはいえ、石化を解くための魔法もまた高位に属しており、また解石専門の術や多大な魔力を必要とする場合もあることから、これを使える術者は決して多くありません。
石化現象での最大の特徴として、石化しても死ぬわけではないという点が挙げられます。もし、仲間が石像となってしまっても、諦めずに治療代を稼でみるのもいいでしょう。
似たような現象に、塩化や黄金化現象もあります。どちらも神の怒りに触れてしまうことで発生するようです。とりわけ、黄金と化する現象は錬金術師にとっては興味深いものです。塩になってしまった者はそのまま崩れ落ちてしまい、生き返る見込みはほとんどありません。