プレート・アーマーとは、全身を薄い板状の金属で覆う鎧です。金属の板同士はリベットなどで接合されており、他の鎧と比べると体の露出が少なくなっています。
人間の体の可動部などもできるだけ金属板で保護しようとしていますが、大きく広く動く関節部分などはチェイン・メイルを用いています。
鎧の中でも最高レベルの防御効果を発揮するため、名のある戦士や正式な騎士の多くがこのプレート・アーマーで身を包んでいます。
高価なのが欠点ですが、これは仕方がないのかもしれません。発達した板金技術を習得した職人がいなければなりませんし、使用者の体型に合わせて造る必要があるからです。冒険者であろうと、騎士であろうと、まだ稼ぎの少ないうちは手が出ないかもしれません。
他にも、音を立てやすい構造であったり、少なからず敏捷性が奪われるため、盗賊稼業についている者には向いていないでしょう。すべてが金属でできているため重量もあり、たとえ熟練の戦士であっても、体力に自信のある者しか扱えません。
また、気候の影響も受けやすいため、扱いには注意が必要です。日に焼ければ火傷しますし、寒冷地では凍傷、地肌に触れれば皮膚がくっつく恐れもあります。
しかし、作品世界によっては最高の防具としても登場するプレート・アーマー。着こなすだけの体力と技術さえあれば、これほど頼りになる防具はないといってもいいでしょう。
プレート・アーマーは、チェイン・メイルを補強するために発達してきました。武器と金属の進化によって、それまで最強の鎧であったチェイン・メイルでは防ぎきれなくなったからです。胴を保護し、腕や脚を守り、コイフからヘルムへ代わり、板金加工の技術も上がり、やがて全身を覆うようになっていきます。
そういったことから、プレート・アーマーとはそれら全体を指すこともあります。下地に着込むクロース・アーマー、チェイン・メイルを重ね着し、その上から各部分鎧を身につけていきます。これらはコンポジット・アーマーと呼ばれることもあります。ゲームなどにおいては処理上の問題もあり、プレート・アーマーは単体で扱われることも多いでしょう。
冒険者の中には軽量化などのため、幾分かの防御効果を捨て、関節部分のチェイン・メイルを外しているタイプのものもあります。また、胴だけ、手足だけ、という具合に部分鎧だけを身につける者もいます。ブレスト・アーマー、ガントレット、グリーブなどの名称が有名でしょうか。