ロープは冒険者にとっては無くてはならない道具のひとつです。筏づくりに用いたり、捕らえた敵や悪人を捕縛したり、野営の幕を張ったり、罠の設置に利用したり、逆に宝箱や扉に結わえておいて、安全な場所から開いたりと様々な状況で用いられますが、主に移動の補助具として活躍することが多いようです。
崖沿いの細い道や急峻な山坂、川を渡る際や足場の悪い岩場の移動など、一本のロープが張られているだけで安定した移動が可能になります。これらは身軽な者が先行し、準備すると良いでしょう。高低差の激しい地形では登攀の苦手な仲間や荷物の上げ下ろしにも一役買っています。こういった場合は滑車があると快適かもしれません。
ダンジョン内においても、大きな亀裂や深い穴などをなんとかして降りなくてはいけない状況に出くわすことはよくあります。頑丈で信頼に足るものを用意しておくと良いでしょう。
シーフの持ち物にも鈎付きのロープが含まれており、これは遠くや、高いところなどにひっかけて侵入や脱出の起点として活用します。
勢いをつけて、振り子のように宙を飛んで向こう側へ移動など、冒険者であれば一度くらいは体験済みかと思います。
ロープはまた、魔術の道具としても使われます。
輪を作って簡易的な魔法陣として機能したり、ある程度の広さを囲ってその場所を結界とするなどの使われ方です。これらはあらかじめ呪文などを編み込んだりした特別な品の場合もありますし、普通のロープで間に合わせることもあります。当然、前者のほうがより強い効果を発揮するでしょう。
魔法の品としてのロープもいくつか存在します。使用者の命令ひとつで標的を縛り上げる、切ってもしばらくすると再生する、固く結んでも持ち主の意思に応じて自在にほどけるなど、ロープを便利に使うための魔法が込められていることが多いようです。
ロープを作り出す呪文もあります。粘つく糸や不可視の縄で標的の行動を制限するもので、これらもロープや糸の性質を再現す魔法といえるでしょう。
魔法の品はともかくとして、普通のロープを手に入れるのは簡単です。冒険者であれば、冒険者が出入りする道具屋や冒険者ギルドの店などで売られています。
ツタや蔓状の植物が手に入るのであれば、それを編めばロープ代わりとして利用することも可能ですし、いざとなれば衣服や野営用の幕などの生地を裂いてねじり合わせても良いでしょう。
ロープはありふれた道具のひとつですが、文字通り頼みの綱として活躍する機会も多いはずです。旅立ちの際には忘れずに用意しておきましょう。