賢者とは、賢い者と書きますが、道理に通じ、何らかの学問を修めた者などを指しています。
とくに何かの分野の専門家というわけではないことがほとんどです。薬草学、魔法学、兵学、モンスターについて、創世についてなどなど、学問が未分化な文明などにおいては、実に様々な知識を保有していることでしょう。
賢者が登場するのは、旅の途中で助言を与える者として、というパターンが多いようです。彼らの多くは学院などを卒業した者たちです。あるいは、自主的に好奇心の赴くままに見聞を広め、書物を読みふけっているうちに賢者と呼ばれるようになってしまう者もいます。冒険者として活動する賢者に多くみられます。
賢者と学者は似ています。どちらも様々な学問に通じ、弟子を取ったり、あるいは学校を開くなどして得た知識を伝えていくこともあります。ですが、学者はどちらかというと部屋に閉じこもり、書物などと格闘していることが多いようです。それに対して賢者は、自ら伝聞の旅に出ることもあるため、魔法を使う者も多いようです。攻撃的な系統(黒魔法)と保護的な系統(白魔法)をバランスよく使うことができるのも特徴のひとつです。これは賢者としての識見から、どちらにも流されることなくニュートラルな感覚を保つことができるからかも知れません。
またそれとは別に、魔術師の多くが賢者としての資格をもっていることも多くあります。魔法についての知識を深めるということが、多岐にわたる知識を深めることになるからでしょう。
賢者は冒険者たちに助言を与える役割としても登場します。停滞した状況を打破するために、どこへ何を持っていきどうすれば良いのかを彼らは知っているのです。たわいのない昔話が後の謎を解くヒントになることだってあります。冒険に行き詰まったときに助けられた方も多いはずです。
世界を救うための旅の途上にあって急いでいるかも知れませんが、彼らの話には耳を傾けるべきなのです。