シャーマンとは、魔術ではなく、呪術を操る魔法使いを指します。彼らの多くは自然崇拝や祖先崇拝の神官や医者のような存在ともいえます。
シャーマンたちの身につけた術はメイジやソーサラーなどとは違って魔術ではありません。自然に宿る精霊や、祖先の霊などの力を借りた力や、魔術の基盤ともいえる、原初的な呪術がほとんどです。
彼らの姿は、都や町などではあまりみかけることはありません。辺境の蛮族たちの魔法使い、として登場することもありますが、村や集落の良き相談役として、あるいは呪医として活躍することはあります。
シャーマンの仕事は、天候を読み、自然災害を避けたり、狩りや収穫の恵みを祈祷したり、先ほどの呪医として病やけがを癒したりすることです。
これらのことからわかるように、シャーマンの存在は大変に重要です。そのため、たとえば部族の長と同じくらいの権限を持っている、というようなこともあります。
シャーマンは他の魔法使いとは、また違う服装を好みます。動物の毛皮のマントを羽織り、牛骨の兜に、動物の骨や牙をつなげたアクセサリーなどを身につけ、顔や手足には呪いの力を増すペイントや入れ墨を施しています。
魔法が発展していくなか、魔法使いたちもまた発展し、細分化されていきました。これを一本の木としてとらえるならば、呪術とシャーマンはその根にちかい部分といえます。洗練された華麗な魔法が登場することはないでしょうが、素朴で禍々しさの宿る術が多くみられます。
登場するファンタジー世界によってはシャーマンを霊使い、精霊使い、という具合に特定の魔法使いとして扱うこともあります。
しかし、シャーマンとして共通するのは、自然を愛し、祖先を敬う、そういう人間たちであるということです。