ファンタジー世界においても、水上を移動する手段としては、船が活躍しています。丸太をくりぬいたり、木材を組み立てて作った木製の船がほとんどですが、小さなものでは植物を編んだ舟もあります。鉄船や合成樹脂製の船は見かけません。
大きさや形も様々です。旅人や冒険者にはカヌーやボートが選ばれています。川や湖ならばこれで十分ですし、たとえ海でもわずかな距離で天候が良ければ問題なく渡ることができるかと思います。
大型船には帆船やガレー船あたりが、頻繁に登場します。
帆船は風を受けて走る船で、帆柱の数と帆の種類によってヨットやシップ、バークなどというように分類されています。ガレー船は人力によって櫂を漕ぐ船で、帆はおまけ程度です。帆走船、ガレー船、どちらにも一長一短があり、その水域に応じたものが使われているはずです。
もし、長い航海の旅が必要となる場合には、こうした大きな船と一緒に船乗りたちを雇うことになります。とはいえ、海岸沿い、湖岸沿いの街同士ならば定期船が発達していることもあるので、乗船代を支払ってのんびりと船旅を楽しめば良いわけです。
さて、船に乗ってしまえばそこはもう陸ではありません。水上には水上に応じた格好を選ぶ必要も出てくるでしょう。万が一のときに備えて重い鎧は身につけない方がいいですし、武器もできれば小型で取り回しの良いものを選びます。というのも、戦闘が起これば手狭な場所での乱戦になる可能性が高く、うかつな飛び道具や大きな武器では十分な威力を発揮することができないからです。
それから、船酔い対策の薬も用意しておいた方が良いでしょう。念のため。一行のなかにひとりは必ずいるんです。