ショート・スピアーとは、柄と穂先の組み合わせによる簡単な造りの槍です。対騎兵用の槍などと比べると短く、柄の長さは100~200cmといったところです。穂先は装飾具合にも寄りますが、だいたい20~30cmほどで、鋭い切っ先をもっています。
槍の中でもとくに扱いやすく、特別な訓練を受けなくとも誰でも扱うことができるでしょう。そのうえ、剣や斧を持った相手よりも有利な立場で戦いを進めることも可能となります。
そのため軍隊などでは、使い捨て程度にしか考えられていない雑兵や、農民兵、切り込み隊と呼ばれるような部隊に支給されるようです。しかしもちろん、訓練を積めば他の武器にひけをとらないものとして活躍することでしょう。
ショート・スピアーは刺突による攻撃を主としますが、投擲することもできます。投擲用の槍ほどの威力はないにせよ、命中すれば致命傷となりやすく、たとえ盾で防ぐことが出来ても、槍が突き刺さったままではその盾は使い物にならなくなってしまいます。
ショート・スピアーは、旅の者や冒険者に好んで使われます。棒術にも代用でき、杖代わりに使うこともでき、さらには物干し竿としても活躍します。
また、構造が簡単なだけに、安価で手に入りやすいという理由もあります。木の棒の先を尖らすだけで代用品を造ることができますので、旅の途中、なにか困ったことがあれば思い出してみるといいでしょう。