空に浮かぶ魔法の都

空中都市

空中都市とは、その通り、空に浮かぶ都市や町を指します。多くは魔法の力に支えられています。

ひとつの街をそのまま空に浮かべるというのは、特に幻想的な光景でしょう。ファンタジー世界では魔法の力によってそれを実現している例がいくつか存在します。しかし、残念ながら空中都市が登場する時点ですでに、その高度な魔法文明は失われている場合がほとんどです。

まず大きくは浮揚タイプと、飛行タイプの二つに分けることができます。

浮揚タイプの都市は、都市の真下に巨大な魔法陣や、呪術的な建造物などによって、物体を浮かび上がらせるような力場を発生させたり、見えない魔法の柱で支えるなどの手段によって実現しています。多くの場合、上下の調節はできますが、横方向の融通は利きません。力場を発生させる施設が破壊されれば、当然ながら、その都市は落ちてしまいます。そのため、このタイプの都市は、外敵のいない平和な時代に建造されているのではないかと思います。

飛行タイプの都市は、飛行の魔力を発生させる魔法陣や呪物などによって、重力の枷から解き放たれています。特別な石を都市の中心に設置したり、魔法の雲を土台に都市を建造したり、あるいは、住民全体が飛行の魔法を結集することによって…というものもあります。

普通、街作りというのは空中よりも地べたで行った方が安上がりで、交通の便も良いはずです。そこをわざわざ空に浮かべるのには、目的があります。まず、力の誇示。権力や魔法の技術力を周囲に示す象徴とする場合です。あるいは、繁栄の象徴などでしょう。それから、軍略の重要拠点として。空中にある、というのはなによりも防御に強いからです。相手からの攻城兵器さえも無効にしてしまうからです。とくに飛行タイプの空中要塞ならば、壮大な一撃離脱戦法さえも可能とします。

他には、観光やリゾート目的であったり、空を行き来することのできる種族との交流の中継点としてなどの目的が挙げられます。

すばらしい景観、町を包む開放感、地上の人々に対する優越感などメリットもありますが、空中都市に済むにはそれなりの覚悟というものが必要となるでしょう。それは、やがては訪れる魔法の時代の終焉を受け入れられることです。魔法の力を失ってしまえば、都市も自身を支えることはできなくなります。いずれは大地に突き刺さる瓦礫のひとつとなるわけです。それから、なによりも、高いところでも目を回さないことです。ある種の人間は、地に足が付いていない生活に対して強い恐怖感を覚えるようですから。

種別
施設/建造物/地域
場所
野外
出現頻度
きわめてまれ/ただし古代においては頻繁な場合も
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