ヘビとは、鱗に覆われた細長い身体を持った恐るべきモンスターです。
身をくねらす怪しげなしぐさ、物陰を音もなく這い回るその姿などから連想させるのか、しばしば邪悪の化身として扱われることがあります。悪に属する魔法使いの使い魔としてであったり、人心を惑わす悪魔であったり、呪いに用いられるなどしています。
その一方で神聖視されることも多くあります。神様の使いであるとか、神様自身であるとか、いろいろなエピソードもありますから、むやみやたらと退治するようなモンスターではないといってもいいでしょう。
ここではモンスターとしてのヘビを、大きく三つに分けて解説していきます。
ごく普通の蛇です。種類が豊富で、砂漠、湿地帯、山岳地帯、森林などあらゆる地域に生息しています。
近づけば、首をもたげて威嚇してくるでしょう。しかし、こちらから手を出さない限りは襲ってくることはありません。噛まれるととても痛いですが、レザーアーマーくらいの厚みさえあれば、簡単に防ぐことはできます。無理に戦おうとせず、そっと立ち去りましょう。
毒をもったヘビです。旅人や冒険者にも襲いかかるバイパーは、体長2mを超えるほどの大きさがあります。噛まれると牙から流れ出す毒によって、その種類によっては1時間ほどで命を落とすこともあります。大型のものは、布や革の防具では牙を防げない場合もあるので、注意しなくてはなりません。
ファンタジー世界では血清などがないことも多く、もっぱら頼りになるのは薬草師や毒消しの魔法などです。夏場の冒険でも薄着しないことが大切な防御方法となります。モンスターとしては直径2~3cmほど、全長100cmほどくらいの大きさでしょうか。遭遇する敵としてよりも、スネークもそうですが、落とし穴の底に飼われているなど、罠のひとつとして出会うことも多いようです。
パイソンは大蛇、つまりウワバミです。その体長は10mを超えるものもいて、胴の太さも人間のサイズほどあります。噛みつく牙も強力ですが、もっとも厄介なのはその長さを活かした締め付けです。
敵に襲いかかるとぐるぐると巻き付いてくることがあり、その力は恐ろしいほど強く、もがいた程度ではほどくことはできません。かといって周りの者が助けようと斬りつけると、仲間を傷つける恐れもあります。思いがけず苦戦することも多々あるようです。
他にも種類はありますが、基本的にはそれほどの強敵ではない場合がほとんどです。