金属鎧が辿り着いた頂点

スーツ・アーマー

スーツ・アーマーとはスート・オブ・アーマー、コンプリート・スート・オブ・アーマーと呼ばれるもので、可動部も含めてすべてを板金によって保護した鎧を指します。騎乗した戦士が用いるものをフィールド・アーマー、徒歩の戦士が用いるものをフット・コンバット・アーマー/コンバット・アーマーなどと分けられます。

スーツ・アーマーの特徴はその防御効果です。形式様式にもよりますが、完全に金属の装甲で覆われたタイプでは隙間がほとんどありません。そのため、剣や槍では打ち込む箇所が見つからないでしょう。メイスやウォー・ハンマーなどによる強烈な一撃に頼るのが手っ取り早い攻略法のようです。

鎧を構成する金属板はもちろん、ただの板きれではありません。体のラインに合わせて加工されていますし、斬撃や刺突、飛んでくる矢の刃先を逸らすための波状、もしくは溝状の加工が施されています。これらの加工は装飾的な意味合いも兼ねていますが、なによりも強度を上げることができ、軽量化にもつながっています。

とはいえ、甲冑全体の重さは尋常ではありません。装甲を分厚くし、防御効果を重視したタイプのものでは、転んでも一人では立ち上がれないほどです。これは騎乗用の話ですが、徒歩戦用のものでも俊敏に動き回るのは容易なことではありません。

スーツ・アーマーが、冒険者や流れの傭兵たちからあまり好んで用いられないのは、この重さのためでしょう。彼らにとっては、取り回しの良さこそが武具の最大の性能であるわけですから、これは当然の選択かもしれません。

最高の防御力を誇るスーツ・アーマーですが、魔法の込められた品はあまり多くないようです。これはおそらく、防御という点で魔法によって補う必要がないからでしょう。あとは、軽量化の魔法を込めておくくらいのものですが、それならミスリル銀で作ってしまえば良いわけです。もっとも、そんなことをすればただでさえ高価なこの鎧が、さらに手の届かない存在になってしまう可能性はありますが。

よく商家や立派な屋敷に甲冑が飾ってありますが、あれこそがこのスーツ・アーマーです。マクシミリアン式と呼ばれる騎乗用の鎧で、装甲に施された華麗な紋様が特徴です。もちろん、ただの模様ではなく、前述したように強度を上げ、軽量化を実現するための加工です。

種別
武具
種類
鎧/甲冑
表記
板金鎧/甲冑/装甲鎧
スートではなくて
シュートと発音することもあります
関連キーワード
マクシミリアン/

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