冒険者たちの野営だけでなく、一般の人々の暮らしにも火は欠かせません。たき火や照明のため、かまどの焚きつけなど、火を使わない日は無いといってもいいでしょう。しかしもちろん、そのためには火をおこさなければいけません。
ファンタジー世界での火おこしも、現実世界のものとそう変わりません。可燃物に火種をつけるだけです。
火おこしには、火打ち石や火おこし棒、火おこし弓などを使います。
火打ち石は、石英やメノウなどを含む石と鉄片、つまり、火打ち石と火打ち金で構成されている道具です。両者をこするように叩きつけることで火花が発生します。この火花を、火口に着火させて火種とします。
火口に使われるのは繊維状の可燃物や、乾燥したおがくずなどです。やりかたはまず、火打ち石に火口を乗せ、そこに火花が飛ぶように狙い定めて火打ち金を打ち付けていきます。火花を出すことに慣れてさえいれば、すぐに燃え移ります。
火種ができれば次は、付け木となる小さな木片に燃え移すだけとなります。ひたすらフーフーと息を吹いて、酸素を送ってやれば火種は炎となります。付け木までくればあとは、からけしや乾いた小枝などを使って炎をさらに大きくしていけばいいでしょう。
火おこし弓なども同じです、これは乾いた木をこすり合わせて発生する摩擦熱によって、火口を発火させます。あとは火打ち石と同じ行程となります。
火打ち金は別に用意しなくても、愛用のダガーなどで代用しても大丈夫です。ピカピカに磨いた武具に傷が付くのが嫌だ!というのであれば、仲間の物を使っちゃいましょう。喧嘩の火種となることうけあいです。
冒険者などは、発火具を必ず持ち歩いています。火打ち石、火おこし金、火口、付け木などのセットです。手慣れた冒険者ならば1~2分で火をおこすことができます。
魔法使いのなかには、手早く発火の魔法を使うものもいます。これは、大げさな火球や炎嵐の呪文ではなく、小さな炎が一瞬だけ発生する程度の弱いものです。これを使って、火口から付け木へと大きくしていくもので、手順としてはほぼ同じになります。
また、火おこし弓での方法も習熟しておくと、いっそう野営に役立つかもしれません。
どちらの方法も、最初に考えた人は偉大ですね。