塔とは、ファンタジー世界における高層建築物、背の高い建物です。
神殿、寺院、城、砦などさまざまな用途に使われることも多く、頻繁に見かけることができます。もちろんただ高い建物というだけではなく、いくつかの特別な役割が与えられて登場します。
まず、力や富の象徴としての塔。高く立派な塔を建設することは、多くの人間を従わせる権力の証明となります。有名なものにはバベルの塔がありますし、現実世界でもタワーの建設はその都市が繁栄している、という表れとなっています。
優れた魔法使いも、高い塔に住み着く傾向にあるようです。魔法に理解のない者たちからの迫害を避けるため、という理由もあるようですが。
次に住居としての塔には、何者かが幽閉されているというパターンがあります。隔離のための塔というわけです。塔の入り口さえ固めてしまえば、容易に閉じこめることができます。この場合は地下牢などとは違って外の空気にも触れえますし、幽閉されていることをのぞけば、普通の住居と変わらない暮らしもできます。
対立国の王女様や、権力争いに敗れた王侯貴族たちなどを閉じこめておくために使われることが多いでしょう。
さらに拷問室などを備えた、立派な牢獄としての塔もあります。やはり、一般市民にあてがわれることはなく、このあたり、罪を犯したあとにも階級の差が感じられます。
このように塔にも色々あるわけですが、古来より多くの騎士や冒険者たちが塔の最上階を目指し戦ってきました。つまり試練の場としての塔です。
幽閉されたお姫様を救出するため、悪しき魔法使いを打ち倒すためなど目的もまたさまざまですが、塔には立ち向かうべき相手としての象徴でもあるようです。
古代に建てられ、廃墟となった塔も数多く眠っているでしょう。もしかしたら完全な形を残したまま、どこかで誰かの来訪を待ちわびているやもしれません。たとえそこに財宝が見つからずとも、きっと地上からはけっしてみることのできない絶景が広がっているでしょう。罠やモンスターを排除して開放すれば、観光目当てでやってくる旅人も増えるでしょう。冒険者を引退した後の収入源としては悪くないはずです。