滝壺へ真っ逆さま!

とは、河川や湖の一部が段差となって、水が流れ落ちている部分をいいます。山岳地帯や地殻変動の激しい土地などで見られる景観のひとつです。浸食や断層のずれ、岩壁などに湧き水が染み出して形成されます。

河川が舞台となる冒険においてわりと頻繁に目にかかる場所ですが、基本的には旅の障害として登場することが多いようです。

たとえば、上流へ向かっている場合だと、水上ルートであれば行き止まりになりますし、川沿い陸上ルートであれば難所として苦労することになるでしょう。

逆に川を下る場合には、最大級の見せ場としても活躍しています。船上にて、前方の景色がとぎれていることに気づいたもののすでに旋回する余裕がないというような状況であるとか、何らかの理由で川を流された者が急流に翻弄されたあげくに迎える脅威であるとか、落下の恐怖を煽りながらのタイムリミット的な役割をも持ち合わせているわけです。

迫り来る滝は冒険の半ばにおいて、決断と覚悟を強いる場所となっているのかもしれません。

その場合、一度に多くのものを失う場所でもあります。一時的にせよ、仲間とはぐれてしまうこともありますし、荷物のほとんどは流されてしまうでしょう。船ごと落下した場合、船体が無事であることは滅多にありません。旅はさらに困難なものとなるはずです。

さて、滝というロケーションが持つもうひとつの顔も見逃せません。

それは、ダンジョンの入り口を隠すという役割です。とはいえダンジョンとひとくちに言っても、パターンはいろいろあります。財宝眠る古代の遺跡はもちろん、反乱軍の武器庫であるとか、盗賊のアジトであるとか、大型魔獣のねぐらであるとか、ときには、れっきとした住居が隠されていることもあります。湿気の具合が気になるところですが。

こうした入り口が明らかになるのは、水が涸れるなどして瀑布が途切れた場合や、あるいは事前にしっかりした情報を得られている場合などだけでしょう。

このように、冒険の旅の途上に立ちふさがるようにして登場することが多いのですが、少し変わったところでは、滝の裏側を歩けるように整備された道もあります。

また、ときには滝は信仰や精神修養、武者修行の場としても登場します。とくに、滝に打たれる修行は、山ごもりの戦士やモンクの姿が多く見られます。

おそらく、激しい水の流れの中では雑念が湧く余裕もなく、精神統一の助けになるのでしょう。もっとも、素人が不勉強なままでチャレンジしても危険なだけとなりますが。

修行とまでは行かずとも、旅の疲れを癒すためにも訪れても良いかもしれませんね。

滝にはいくつか種類があります。

直瀑(ちょくばく)。落ち口から滝壷まで一気に落下する滝で、落差が大きければ大きいほど偉い!とされている滝です。落ち口が迫るような状況でもっとも頻繁に登場するタイプです。ですが、あまりにも落差の激しい滝では滝壺が見あたらない場合もあります。落下する間に水が散ってしまうからです。この滝は、脇の断崖か、凍結して氷壁と化した時期によじ登るくらいしか手段はないかと思われます。

段瀑(だんばく)。二段、三段、四段、というふうに階層がある滝で、風景的にも美しい滝。風景として登場する機会が多いので、冒険的には危険性は低いようです。

渓流瀑(けいりゅうばく)。滝口から傾斜した岩肌などの上を流れる滝で、滑落にさえ気をつけていれば歩き登ることもできます。

海岸瀑(かいがんばく)。海岸の崖の上に滝口があり、海に直接落ちる滝をいう。自然の洞窟を利用した悪者のアジトからの脱出路として使われることも多く、決死のダイビングなどとしての見せ場が用意されていることでしょう。

他にも分岐瀑や潜流瀑といった趣のある滝も見られます。もっとも、モンスターが住みついて退治しにいく場所となれば景観を楽しむ余裕はないかと思いますが。

種別
地形/景観
場所
野外
 
 
 
 
関連キーワード
山/河川/湖沼

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