レイスとは、アンデッドモンスターの一種で、ゴースト、ファントムなどと同じく、実体(肉体)のない不死生物です。
レイスは、魔法使いが自らの魂を操る術に失敗し、元の肉体に帰れなくなったときに生まれるといわれています。なかには他の魔法使いによって、むりやり魂を分離させられた哀れなレイスもいます。
実体を失い、透き通ってはいますが生前の姿を保って出現します。元が魔法使いであることから、強力な魔法を操ることが多いようです。
他の幽霊などとは違い、怨念といったものはなく、ただ魔法に失敗したという結果が残念であると聞きます。それはさておき、生前の知識も残されており、それを生かして古い建物の奥で魔法の研究などを続けているレイスもいます。
まれに、旅の助言を与えてくれるような親切なレイスもいるようで、アンデッドモンスターのなかでも特異な存在かもしれません。
しかし、記憶の一部や理性を失って、なかば狂ったレイスもいます。彼らほど手強い相手はなかなかいないでしょう。
一般的な霊とはちがい、他者への憑依などはしないようですが、触れた相手の生命力を吸い取るという能力を持っていることが多いからです。さらに、レイスによって殺された者もまた、レイスとなって蘇ることがあるようです。
通常の武器などの物理的な手段では、一切の傷を負わせられません。魔力のこもった武器をつかうか、さもなくば魔法合戦を繰り広げることになるでしょう。
唯一といってもいいレイスの弱点に、太陽があります。日の光を受けるとたちまちのうちに、消え去ってしまいます。しかし、太陽が顔を出したからといって油断はできません。日差しを受けて消滅するのではなく、別の層の世界へ逃げ込こまれただけの場合もあるようですから。夜になればまた姿を見せるでしょう。
レイスにとって生き続けることは死の連続であり、死は魂の消滅を意味しています。できれば、昇天成仏させたいモンスターのひとつでしょう。