グールとは、屍肉を食らう死霊です。 墓を荒らしては埋葬された死骸をむさぼるという、なかなかに猟奇的なモンスターです。
ゾンビのように生気のない肉体にぼろぼろの衣をまとって登場しますが、肉体はそれほど朽ちてはいないようで、そういう意味ではフレッシュなアンデッドといえます。
比較的頻繁に遭遇するモンスターで、墓荒らしの犯人を突き止めてみると、それが実はグールだった! ということも冒険者たちの間ではよくある話のようです。 グールは集団で現れることが多く、被害は常に大きくなりがちです。
墓地以外では遺跡や古い建造物などによく出没します。 ほとんど知性はなく、ただ死体を漁り食らうという衝動だけで行動しているようです。 しかし、生者に対してもよく襲いかかると報告されています。 「殺して食えば同じ」というわけなのでしょう。
グールの爪には麻痺毒が備わっていることが多く、また、ゾンビーなどよりも素早く動くとも言われているので、戦うには厄介な相手となるでしょう。
彼らがどうやって誕生するのか、という問いにはいくつかの答えが返ってきます。 ゾンビなどと同じように死霊使いが眠れる死者にかけた魔法によるものや、強い衝動を残したままなど通常とは違う死を迎えた場合、もしくはアンデッドというよりも妖怪や魔物のようなれっきとした種族という説もあります。 しかし、屍肉しか食べないという点は、何かある種の呪いをかけられた者の末路という印象も受けます。
当然ながら、死者を埋葬する習慣のない地域ではグールによる被害は少ないようです。
グールを死霊ではなく、れっきとした生者として扱う説もあります。 なんらかの原因によって猟奇性、怪物性を備えてしまった人間だというものです。 この場合、彼らには人間だったころの記憶や知性が残っており、意思の疎通を図ることも可能だとされています。