人と妖精との間に生まれた子

ハーフエルフ

人間とエルフは全く違う種族ですが、肉体的には非常に近しい存在であるため、両者は交わることができるとされています。 そうして生まれた子は、普通はどちらかの特性だけに偏って生まれますが、ときどき両方の血を受け継ぐことがあります。 それがハーフエルフと呼ばれる者たちです。 人間とエルフとの子はすべてハーフエルフとして生まれてくるというファンタジー世界も多いようです。

彼らの外見は両者の特徴を併せ持っています。 耳はわずかに尖っていますし、髭などの体毛も生えることもあります。 身長は普通の人間と同じくらいですが、普通のエルフのように華奢な体つきです。

人間の肉体的なたくましさや頑健さを持ちながら、エルフのような敏捷性や身軽さ、強い魔力を受け継いでもいます。 裏を返せば、人間族ほど強靱ではなく、エルフほどの神秘性をとどめていないわけですが、たいていの場合、彼らはうまくハーフエルフとしての特性を伸ばすことができているようです。

特殊な家庭環境で育っている者が多いため、ハーフエルフたちのほとんどがその内面に複雑なものを抱えているようです。 迫害を受けたなどの理由から人間あるいはエルフの側を強く憎んでいることもありますし、そのために冒険の仲間内でのトラブルを起こすこともあります。 一方で、エルフと人間が対立している場面で、両者の仲を取り持つために奮闘する場面も少なからずあるようです。

ハーフエルフは一代だけの混血ではなく、種族としても子孫を残すことができる場合があります。 遠い先祖にハーフエルフを持つ血筋では、ごくごく希に人間同士の夫婦であってもハーフエルフとして子が生まれることもあるようです。 これは「取り替え子/チェンジリング」と呼ばれ、不幸なことに歓迎されないことの方が多く、とくに閉鎖的な社会では忌み嫌われてしまいます。

そういうこともあってか、ハーフエルフたちのほとんどが盗賊や冒険者というような、アウトローとして生きていく者が多いようです。

ハーフエルフが生まれるのはエルフと人間とが結ばれるからですし、ハーフエルフ同士の夫婦から生まれてくるのもハーフエルフとは限らず、人間、エルフが生まれる可能性があるようです。 つまり、どうやろうともハーフエルフだけの社会を維持することは不可能となります。

というわけで、ハーフエルフだけの集落、国家というものは存在が難しいものとなるでしょう。 彼らの苦難の旅はまだ続くようです。 人間族とエルフ族の懐がもう少し広く深くなれば、彼らの心の痛みも少しは和らぐのかもしれません。

種別
ファンタジー世界の住人
種族
妖精/人間族
表記
半妖精
関連キーワード
チェンジリング/ハーフオーク

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