ロング・スピアーとは、と穂先の組み合わせによる簡単な造りの槍です。 ショート・スピアーとの違いはその長さで200~300cmほどです。
構造そのものに長さ以外の違いはありませんが、その用法はショート・スピアーとはまったく別の武器だといえます。
ショート・スピアーは槍投げのように肩の上で構えることもありますが、 ロング・スピアーの場合、腰のあたりで両手で構え、水平にあるいは馬上の敵を突き刺すようにして使います。
戦場においては、敵の騎兵隊に対抗するため最前列に並んだ歩兵が、このロング・スピアーをもって待ちかまえる、 という図が一般的です。 しかし、騎兵にとっても実に有用な武器といえます。 ランスほどではないにせよ、馬上から繰り出すロング・スピアーの威力は恐ろしいものです。
戦場で大活躍の長槍ですが、冒険者たちの間ではあまり見かけません。
やはり、兵隊同士のぶつかり合いでは利点となる長さが、足を引っ張るのでしょう。 狭い洞窟内に入ったきり方向転換もできないようでは、命取りになりかねません。
しかし、巨大で恐ろしい怪物相手にする場合であれば、十分威力を発揮するのですから、 ある程度は使いこなせるように訓練しておくといいでしょう。
ロング・スピアーも槍類の宿命として、相手の攻撃を防御することの難しさがついてまわっています。 しかし、他の槍とは違って、歩兵同士の白兵戦に用いる武器ではないので、これは仕方ないのかもしれません。
ロング・スピアーはギリシアの密集隊形戦術に用いられていました。 隙間無く盾を並べ、ロング・スピアーを突き出しながら襲いかかってくる歩兵の集団……
襲われた方は、たまったもんじゃなかったと思います。