ロングソードは、もっとも一般的なソードといえます。 様々な物語に登場しますし、とくに記述がない限りは、「剣」と呼ばれるものの多くがこのロング・ソードで間違いありません。 ロング・ソードという名前も、ショートソードと区別するための名前でしかなく、ソードの名称で通用します。 登場する作品によってはブロード・ソードと呼ばれることもあるようです。
全長は70~90cmほどで、これより短いものを前述したショートソードとして区別しています。 切っ先は鋭く作られており、刀身の幅は指2本分かそれより少し広いくらいです。 柄は拳ひとつ分ほどで、片手用です。
ロング・ソードは主要な武器として、戦士だけではなく、それ以外の職業、キャラクターにも幅広く使用されています。 『指輪物語』の映画版でも、魔法使いであるガンダルフが杖と剣を振り回して戦っている姿がありました。
戦士が扱う場合は利き腕にロング・ソードを持ち、もう片方の手にはシールドを持つのが装備パターンが多いようですが、もちろんそればかりではありません。 シールドではなくショートソードやダガー類、あるいは別のソードを持つ二刀流の戦士もいますし、ロング・ソード一本だけで片方の手を空けておく者もいます。
基本的に、ソードというものは切り裂く武器ではありません。 ロング・ソードも同様で、多少の刃こぼれは気にせず、叩き斬るようにして使うのが普通です。
斬る、叩き斬るために作られていますが、切っ先は尖らしてあって突いて使うこともあります。 騎兵が用いるロング・ソードはこの傾向が強く、馬上から攻撃を繰り出す必要があるため、剣は細く鋭く作られています。
ロングソードはまた、魔法の剣としても数多く存在しています。
まず、ロングソードとは刀剣史上、長い刀身を持つ剣の総称となっています。 いってみれば、ショートソードとロング・ソードに分けられるというわけです。
そのロング・ソードはさらに大きく二つに分けることができます。 ひとつは、鋼の登場以前のものと、以降のものです。
前者のロング・ソードは刀身は肉厚で幅広いものでした。 切っ先はあまり鋭くなく、斬るための剣といえますが、「切断力を備えた鉄の棍棒」のようなものです。 刃も焼き入れ法によって硬化皮膜を作っているだけだったので、激しい撃ち合いでは長持ちしませんでした。 長く使っていると、折れるのではなく、曲がってしまったと言われています。
後者は鋼の登場によって、刃は薄く、全体的に細く作られ、また、頻繁に馬上で用いられるようになったことから、切っ先も鋭く作られました。 そのため、突いて使うイメージも強化され、それが多くのファンタジー世界に登場するロング・ソードの原型となっています。
さらに、宗教的な影響を受け、十字架の形を強調して作られていったことも付け加えておきます。
そのため、騎士が自らの剣に誓いを立てたり、地面に突き立てた剣を死んだ戦士の墓標とするなど、ロング・ソードはときとして精神的なよりどころとしても扱われています。 それは、過去の歴史だけではなく、ファンタジー世界にもちゃんと受け継がれているというわけです。