そは魂無き不滅の王。汝、眠りを妨げる者なれば、死の翼に打たれん。

マミー

マミーとは、死後、再び魂が舞い戻るであろうときに備えて、防腐処理を施し保存しておく死骸です。 一般的には古代の権力者などがその対象となります。 また、死者が蘇ったときに家来がいないと不便であろう、と殉死者のマミーも周辺に保存されていることもあります。

一般的なマミー/ミイラは、まず遺骸を洗い清め、腐りやすい内蔵を取り出すことから始まります。 次に、体と体から取り出した内臓を乾燥させます。乾燥は天日干しの場合もありますが、基本的には脱水用の薬品を用いて行います。

乾燥によって萎縮したり、変形した部位の整形を行いますが、乾燥作業時にあらかじめ詰め物などをしておけば、この手間を楽にすることができたようです。

あとは、何重にも布を巻き包んでいきます。 それから、防腐剤(防腐作用のある薬草など)や、護符などの魔術的なものなどと一緒に棺に納められて出来たのが、マミー/ミイラというわけです。

マミー/ミイラは、墳墓への侵入者があると、棺から起き出してくることが多いようです。 その動きは非常に鈍いものですが、ごくまれに俊敏な動きで飛び回り、怪力を発揮して戦う驚異的なマミー/ミイラも存在します。

しかし、これは番兵や近衛兵などのマミー/ミイラであることがほとんどです。 王族級のものとなると、棺から出ることなく強力な魔法や呪いを放ってくる場合もあります。

呪い。これこそがマミー/ミイラにおける最大の特徴といえるでしょうか。 墳墓を暴いた者や、王の体に触れた者に、災いや場合によっては即死に至るような呪いが降りかかるようにされていることがあるわけです。 ときには、死骸と一緒に閉じこめられた古代の病原菌やウィルスによる災害も起こりえます。

弱点としては、火に弱いという点が挙げられます。 乾燥させているうえに、布などの可燃物がそろっているわけですから。

とはいえ、そんな罰当たりな行いをすれば、何が起こるかわかりません。 欲に目がくらむのもほどほどにしておきましょう。

マミー/ミイラ製造法は、一部の神官や呪術師などにだけ継承される、一種の秘術の類といえます。 マミーとは、死者に対する敬意や魂が永遠にありつづけることへの願いがこめられた、神聖なものだったようです。

種別
モンスター
種族
死霊/不死生物/ゴーレム
表記
木乃伊
関連キーワード
マミー/包帯男

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