パラディンとは、騎士の種類のひとつです。
彼らは騎士としてだけでなく、神官としての修行を積んでいる場合がほとんどです。 そのため、聖なる力に守られていたり、神々の奇跡の担い手としての役割も備えています。
騎士、戦士、あるいは神官戦士などの上位クラスとして登場することもあるので、ご存じの方も多いでしょう。
普通の騎士と違うのは、忠誠や誓いの対象を彼らの信仰する神々や、その信徒、教会寺院などとしている点です。 さらに、この世を善と悪、聖と邪に分けるとすれば、パラディンは善・聖の立場にあります。 騎士というものが、中立もしくは悪の側でも成り立つのを考えると、少し融通の利かない職業といえます。 これはパラディン個人の性格にも反映されるようで、どんな状況でも頑なに正義を貫き通そうとします。
神官としての側面から見ると、パラディンは騎士よりも自由な立場にあります。 というのも、多くの場合、神殿や教会、寺院に属する者たちは世俗の権力から外れた位置に立っていることがあるからです。 パラディンもまた、自分や自分の信じる教団の正義と合致しないかぎり、たとえ国王からの命令であったとしてもそれに手を貸すことはないでしょう。
パラディンのなかには、正義のために人々を救う術として、冒険者として生きる道を選ぶ者もいます。 各地を巡り歩きながら、困っている人を見つけてはこれを助け、悪人がいればこれを退治し、そうやって世直し人助けの旅をします。
戦乱の時代においても、彼らはどこの国にも属さず、もっと大きな視点からの平和を願う者となります。
彼らは白や銀色の甲冑を好み、また騎士らしく、剣か槍で武装していることが多いようです。
パラディンとは、もともとはフランク王国、シャルルマーニュ大帝に使える12人の騎士を指す固有名詞です。 ロランの歌、という叙事詩に登場します。 パラディンの語源としては、「宮殿を守る者」くらいの意味を持つ言葉からきているようです。
パラディンが守護騎士、正義の番人としての性格が強調されているのはそのためでしょう。