スリングとは、投石をするための武器です。 投石とはいっても、小石やせいぜい拳大ほどの石です。
布や革で作られた全長100cmほどの紐状、細長い帯状の構造をしています。 石を受ける部分として、中央当たりがやや椀状になっていたり、石を包み込めるようにゆったりとした帯になっています。
使い方は、この石受け部分に石を入れ、両側の紐を片手で持ちます。 このとき一方の紐を小指や人差し指に固定しておきます。
そして頭上で大きく振り回して、石に十分な加速度を与えたところで、標的に向かって投げるように、固定していない方の紐を離します。 そうすれば、勢いのついた石が飛んでいくはずです。
訓練すれば、それなりの命中精度を保つこともできます。
また、まっすぐに飛ばすだけでなく、弓と同じように、山なりの弾道によって遠くの敵を攻撃することもできます。
スリングの特長は、石を飛ばすという点です。 矢とは違い、石の衝撃力で攻撃するため、甲冑を着込んだ相手にも有用です。
スリング自体も安価なうえに、飛ばす石弾もいたるところに落ちている。 そのうえ、飛ばすだけなら少し練習すればいい、ということで、 予備の武器として持ち歩く者も大勢います。
もし、行く先が石ころの落ちてなさそうな場所であれば、あらかじめポケットに詰めておきましょう。 また、石がなくとも、ポーションの瓶や油壺だって投げることができます。
しかし、傷薬を投げてしまって後悔などしませんように。
スリングの威力について。 古代においては投石兵として、正規の軍隊に組み込まれるほどで、 ときには弓兵を圧倒することもありました。
また、古いところでは、 少年がスリングによって巨人を打ち倒した、という話も聞きます。 よっぽど打ち所が悪かったのでしょうか。