アダマンタイトとは、非常に高い硬度を持った伝説級の金属鉱石です。
語源はギリシア語の「adamant(アダマント)」「adamas(アダマス)」で、「屈服しない」「征服されない力をもつもの」「侵されない」という意味があるようです。ダイアモンドと同じ語源です。
ダイアモンドが金剛石と表記されるのに対して、アダマンタイトは金剛鉄ともいいます。ちなみに金剛(こんごう)とは、仏教において最も硬いとされる金属を指します。
ミスリルやオリハルコンと同列に語られる金属ですが、やはりそれらと同じようにごく限られた地域から、それもほんのわずかしか採れないとされており、しかも普通の人間には見つけられないといった希少性があります。
産出されたアダマンタイトは、精錬してもミスリルなどとは違って、とくにこれといった神秘的な輝きや神々しさは帯びていないようです。しかしその取引価格はミスリルなどと同様に非常に高値で、ときには値が付けられないほどです。
アダマンタイトは地上最強と言われるほどに硬く、そのためほとんどが武具の素材として使われます。それもやはり武器として加工されることが多いようです。
この金属から作り出された武具は人間や亜人種が扱える中でも最高峰の性能を発揮します。刃こぼれしない剣、傷ひとつつかない盾といった具合になるでしょう。
しかしその硬さがため加工は難しく、伝説級の腕前を持った職人や天上界の住人でないと扱えないようです。人間の世界では、一般的にドワーフ族の秘伝の技によってのみ加工されるといった気むずかしい金属とされています。
金属そのものが魔力を帯びているのか、それとも素材の持つ性能が魔法の力に匹敵するのか、アダマンタイト製の武器は通常の手段では傷つかない者にも通用する特別な品となります。
地上に出現した魔界の王や闇の支配者、というような超常の存在に対抗するためなど特別に鍛えられることがあるようです。もちろん使い手となる者も何らかの特別な力を秘めている場合はあります。
そうやって作られた武具はおそらく、伝説の品としてその後何百年にも渡って語り継がれていくはずです。
一般のアイテムとして流通するとしても、おそらくあらゆる武具を凌ぐだけの性能は期待できるので、あとはそれに見合った腕前があるかどうか、でしょう。
アダマンタイトは、アダマンチウム(Adamantium)と呼ばれることもあり、ミスリルやオリハルコンと違って単一の金属元素として扱われることもあります。
さて。アダマンタイトの武器を手にするときというのは、おそらく最も強大な敵と対峙しているときでしょう。しかし本当の最高の武器とは、恐れず立ち向かう強固な意志です。冒険者たるもの、いつまでも金剛鉄の精神を持っていたいものです。