Banshee
バンシーとは、死を予告するとされる妖精です。 夜、いずこからともなく泣き声が聞こえてくることがあり、それは、近く死者が出ることを予知したバンシーが悲しんでいるのだといわれています。
その容姿は長い髪の美しい娘であることが多いようですが、地域によってはエルフに似ていたり、あるいはシワだらけのおばあさんとして登場することもあります。 ほとんどに共通するのは、その肌は青白さでしょうか。まるで病人のようにも見えるようです。
バンシーは川の畔や人家近くの木立などにあらわれます。 光を嫌っているようなので、暗がりで遭遇することが多いでしょう。
面と向かって敵対するような妖精ではありませんが、もし戦えば、おそらく苦戦を強いられることになります。
鋭い爪と、見かけによらない強い力、さらに魔力を秘めた金きり声を上げることもあるからです。 その絶叫を聞いた者は、狂い死にするといわれています。
恐るべき力を秘めたバンシー。 彼女を、ただの妖精などではなく、死神や上級精霊だという説もあります。
もし、旅する中で彼女を見かけても、うかつに手を出さないようにしましょう。 たとえ、泣きながら指をさされても。
バンシーは、ときに妖精ではなく、悲しみを司る精霊としても登場します。 悲しみの感情が刺激されるのは、その人の精神に宿るバンシーの力が強くなっているから、というわけです。
暴走したバンシー、あるいは悪意のあるバンシーに取り憑かれてしまうと、その者は深い悲しみに襲われてしまいます。 悪くすれば悲しみのあまり、自害してしまう者もいるほどです。 バンシーに連れて行かれた者の魂がどうなるのか、それは誰にもわかりません。